せん)” の例文
旧字:
ねがわくはだ、きみ、どうぞ一つ充分じゅうぶんかれしんじて、療治りょうじせん一にしていただきたい。かれわたしにきっときみ引受ひきうけるとっていたよ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
かつて御史ぎょしありてせいの自らもっぱらにすることをがいしけるに、帝かずして曰く、人に任ずるせんならざれば功を成すあたわず、いわんや大将は一辺を統制す、いずくんぞく文法にかかわらんと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
さうして、それが、ことごとく博士であつた。代助は其顔を一々覚えてゐた。其又となりに、ひろい所を、たつた二人ふたりせん領してゐるものがあつた。その一人ひとりは、あにと同じ位な年恰好としかつこうで、たゞしい洋服をてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「だから、何でも養生して、体を丈夫にするのがせんだよ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
これはもう周囲まわりものうよりみとめているところで、只今ただいまもドクトル、エウゲニイ、フェオドロイチがうのには、貴方あなた健康けんこうためには、すべから気晴きばらしをして、保養ほようせん一とせんければならんと。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)