せん)” の例文
朝廷が尊氏討伐を決定してこれを公卿僉議せんぎせんしたのは、十一月に入ってからのことにはちがいないが、その幾日頃であったろうか。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
保吉は絶体絶命ぜったいぜつめいになった。この場合唯一ゆいいつ血路けつろになるものは生徒の質問に応ずることだった。それでもまだ時間が余れば、早じまいをせんしてしまうことだった。
保吉の手帳から (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
せん州の節使趙鍠ちょうこうもまた額の上に一塊の肉が突起しているので、珠があるのではないかと疑われていた。やがて淮南軍わいなんぐんのために郡県を攻略され、趙も乱兵のために殺された。
第十三条 天皇ハたたかいせんこうシ及諸般ノ条約ヲ締結ス
大日本帝国憲法 (旧字旧仮名) / 日本国(著)
と、フリッツ大尉は、試験の終了しゅうりょうせんしたのであった。
人造人間の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかせんすれば「夢」の靈その嚴命をかしこみて
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
けいせん
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「もし、その内々の議が、宮方へ曳れ聞えたら、あるいは、朝廷方から先に、お旗上げをせんするかもしれませぬな」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その影取りて「夢」の靈彼に向ひてせんしいふ
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
蜀帝の力ある玉音は群臣のうえにこうせんした。朝に侍す百官は粛として咳声がいせいもない。綸言りんげんあに疑義ぎぎあらんやと人はみな耀かがやく目を以て答え、血のさしのぼる面をもって決意をあらわしていた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
即ち精を呼び出し、飛翔の言をせんしいふ
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
せん君、ここにいるのは僕の義兄弟で、郝思文かくしぶんという変った姓名の人でね。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)