せん)” の例文
十二日午前、田中某に一宴いちえんせんせらるるまま、うごきもえせず飲みふけり、ひるいい終わりてたちいでぬ。安方町やすかたまち善知鳥うとうのむかしを忍び、外の浜に南兵衛のおもかげを思う。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
十二月除夕じょせき枕山は再び長谷川昆渓と相携えて池の端の松源楼に歳をせんした。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
中々の長文で、灑々さいさい数千言、情を尽し理を尽し、当時の社会を動かすには十分のものであった。それから又奝然上人の唐に赴くをせんして賦して贈る人々の詩の序をも保胤がせんした。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この年の除夜、枕山は昆渓とともに池の端の酒楼松源に登って歳をせんした。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)