せん)” の例文
高度な火で土を焼いたせんという一種の瓦を、厚さ一丈の余、高さ何十丈に積みかさねたものである。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
竹下氏は朝鮮がわらの蒐集家として聞えているが、その蒐蔵の中には多くの見事なせんや瓦の外に、菓子型、筆筒ひっとう真鍮しんちゅう香炉こうろなど優品が多い。いずれも忘れ難いものであった。
全羅紀行 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
せんのすき間から生えている葎までも何か大事そうに踏まえて、こんどは反対に櫺子の中から明るい土のうえにくっきりと印せられている松の木の影に見入ったりしながら、そう
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)