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箭
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せん
ふりがな文庫
“
箭
(
せん
)” の例文
数百
箭
(
せん
)
の矢かぜが、一せいに、苫へむかって、放たれた。堪るものではない。苫の下には、何とも、名状しがたい人間の悲鳴が起った。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
言いつつ、射て放ったはまことに早矢の達人らしく一
箭
(
せん
)
! 二箭! 飛んだかと見るまにヒュウヒュウと藩士の身辺におそいかかりました。
旗本退屈男:07 第七話 仙台に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
南
(
みなみ
)
の
空
(
そら
)
からはしきりに、
金色
(
きんいろ
)
の
箭
(
せん
)
が
飛
(
と
)
んできました。けれど、ここまで
達
(
たっ
)
せずに、みんな
野原
(
のはら
)
の
上
(
うえ
)
に
落
(
お
)
ちてしまいました。
角笛吹く子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
太陽の第一
箭
(
せん
)
が雲間を破って空を走った。このとき、次郎の
愛撫
(
あいぶ
)
に身をまかせていたフハンが、両耳をキッと立てて鼻を鳴らすと、
河岸
(
かし
)
を
上手
(
かみて
)
へ走った。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
一
箭
(
せん
)
二
雁
(
がん
)
を
獲
(
え
)
ずと
雖
(
いえど
)
も、一雁を失わず、一計双功を収めずと雖も、一功を得る有り。永楽帝の
智
(
ち
)
、
豈
(
あに
)
敢
(
あえ
)
て建文を
索
(
もと
)
むるを名として
使
(
つかい
)
を発するを
為
(
な
)
さんや。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
四度目の太刀を振りかざしたとき、ぴゅんと、一
箭
(
せん
)
は唸って、木鹿の
喉
(
のど
)
に立った。同時に、下から突き上げた関索の槍もその頤を突きぬいていた。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まさに一
箭
(
せん
)
、はっしと射放たれたかと見えたせつな、むっつりの名人また、身のさばきみごとです。つうつうと身を走らせて、依田の重三郎が射構えた右前深くへさっとはいりました。
右門捕物帖:36 子持ちすずり
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「京へ、鎌倉の兵を入れるな。尾張美濃の境、
墨股河
(
すのまたがわ
)
へ
馳
(
は
)
せ下って、義経に、鎌倉討伐の第一
箭
(
せん
)
を放たすがよい」
日本名婦伝:静御前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
乱戦半日の果て、
小李広
(
しょうりこう
)
の
花栄
(
かえい
)
と醜郡馬とは、互いに
面
(
おもて
)
をあわせての接戦となったが、弓の花栄といわれた彼の射た一
箭
(
せん
)
が、カン! と醜郡馬の背なかの
護心鏡
(
あてがね
)
にあたったので
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、そこの
門扉
(
もんぴ
)
へ、一
箭
(
せん
)
を射て引っ返した、などという
一場
(
いちじょう
)
の勇壮なる話もある。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「さらば、見給え」と張苞は気負って、まず三百歩の彼方に、旗を植えならべ、その旗の上に、紅の小さい
的
(
まと
)
をつけて、弓を放つに、一
箭
(
せん
)
一箭、
紅的
(
こうてき
)
を砕いて、一つとして
過
(
あやま
)
らなかった。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
城壁の上には無数の
弩
(
いしゆみ
)
を据えている。それは一
弩
(
ど
)
に十
箭
(
せん
)
を射ることができ、
鏃
(
やじり
)
には毒が塗ってあるので、これにあたると、負傷ということはない。みな皮肉
爛
(
ただ
)
れ五臓を露出して死ぬのである。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(余と共に起つのを好まないなら、手を
拱
(
こまぬ
)
いて見物していよ。また、望みならば、頼朝の敵に立って、一
箭
(
せん
)
交わしてみるもよい。妻は妻。
舅
(
しゅうと
)
は舅。武門の道に立っては、私情の
斟酌
(
しんしゃく
)
には及ばぬことぞ)
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ともあれこの一日に、関羽は一
箭
(
せん
)
の傷をうけたわけであるから
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
曹操の左の
肘
(
ひじ
)
にも、一
箭
(
せん
)
突き通った。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
地速星 中
箭
(
せん
)
虎
(
こ
)
丁得孫
(
ていとくそん
)
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“箭”の意味
《名詞》
(や)矢。
(出典:Wiktionary)
“箭(
矢
)”の解説
矢(や)は、弓の弾力を利用して発射される武具(狩猟具)。箭の字も用いられる。
(出典:Wikipedia)
箭
漢検準1級
部首:⽵
15画
“箭”を含む語句
弓箭
火箭
征箭
一箭
白羽箭
急箭
三叉箭
乱箭
飛箭
没羽箭
金箭
毒箭
銀箭
鉄箭
没羽箭張清
弓箭鉾槊
箭風
箭先
箭矧
鬼箭
...