せん)” の例文
新字:
わらちひさなきまつたたばが一大抵たいていせんづゝであつた。の一わらなはにすれば二房半位ばうはんぐらゐで、草鞋わらぢにすれば五そく仕上しあがるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
火入ひいれにべた、一せんがおさだまりの、あの、萌黄色もえぎいろ蚊遣香かやりかうほそけむりは、脈々みやく/\として、そして、そらくもとは反對はんたいはうなびく。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
まへさんそのさけへるほどならやとおひなさるを無理むり仕事しごとくだされとはたのみませぬ、わたし内職ないしよくとてあさからにかけて十五せんせきやま
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その時分じぶん蕎麥そばふにしても、もりかけが八りんたねものが二せんりんであつた。牛肉ぎうにく普通なみ一人前いちにんまへせんでロースは六せんであつた。寄席よせは三せんか四せんであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
だれでも説明せつめい出來できたものに』とあいちやんがひました、(此所こゝ少時しばらくあひだ大變たいへんおほきくなつたので、はゞかところもなく大膽だいたんくちれて)、わたしは十せんげてよ。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
まいつゞきにしたつて封書ふうしよおなことで三せんだ。たまに三まいつゞきにすることもあるが、状袋じやうぶくろれたり、切手きつてつたりする面倒めんだうがないだけでも、一せんりん値打ねうちはあるからな。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
爲替相場かはせさうばあがることは日本にほん通貨つうくわ對外價値たいぐわいかちあがることであるから外國ぐわいこくから直接ちよくせつ輸入ゆにふせらるゝものはこと/″\値段ねだんやすくなる、一ヤール五ゑん羅紗ラシヤが五ゑん五十五せんであつたものが
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
かれまちまはるに病院服びやうゐんふくまゝめう頭巾づきんかぶり、上靴うはぐつ穿いてるときもあり、あるひ跣足はだしでヅボンした穿かずにあるいてゐるときもある。さうしてひとかどや、店前みせさきつては一せんづつをふ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
せんを取られるんでせう。」
素材 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
せんいたゞきませぬ。
せんもらつて
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
勘次かんじ近所きんじよ姻戚みよりとのほかには一ぱんさなかつたがそれでもむらのものはみなせんづゝつてくやみにた。さうしてさつさとかへつてつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
むねつかへのやまひしやくにあらねどそも/\とこつききたるとき田町たまち高利こうりかしより三月みつきしばりとて十ゑんかりし、一ゑん五拾せん天利てんりとてりしは八ゑんはん
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
金澤かなざはにてぜに百とふは五りんなり、二百が一せん、十せんが二くわんなり。たゞし、一ゑんを二ゑんとははず。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
宗助そうすけは一せんりんして、その風船ふうせんひとつて、しゆつとちゞましてもらつて、それをたもとれた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
A イヤおほきに結構けつこう双方さうはう一月ひとつき九十せんづつの散財さんざいだ。精々せい/″\葉書はがき贅澤ぜいたくをやりたまへ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
羅紗ラシヤ一ヤールが五ゑん五十五せんであつたものが五ゑんせんへるやうになつたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
またモイセイカは同室どうしつものにもいたつて親切しんせつで、みづつてり、ときには布團ふとんけてりして、まちから一せんづつもらつてるとか、めい/\あたらしい帽子ばうしつてるとかとふ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
せんはこ——二箱ふたはころか?
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
ばうなはが七せんまうで一そく草鞋わらぢが一せんりんといふ相場さうばだからどつちにしても一にち熱心ねつしんうごかせばかれは六七せんまうけるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
おもことに一せん融通ゆうづうかなふまじく、いはゞたからくら番人ばんにんにておはるべきの、らぬつままでとは彌〻いよ/\重荷おもになり、うき義理ぎりといふしがらみのなくば
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ところで、一せんたりとも茶代ちやだいいてなんぞ、やす餘裕よゆうかつたわたしですが、……うやつて賣藥ばいやく行商ぎやうしやう歩行あるきます時分じぶんは、兩親りやうしんへせめてもの供養くやうのため、とおもつて
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かりこゝ外國ぐわいこくから輸入ゆにふする羅紗ラシヤ一ヤールの値段ねだんが五ゑんとすると、爲替相場かはせさうばが一わりさがつてればそれを五ゑん五十五せんでなければへぬのである。棉花めんくわ同樣どうやうである。輸入ゆにふてつ同樣どうやうである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
小六ころくにしてゐた佐伯さへきからは、豫期よきとほり二三にちして返事へんじがあつたが、それはきはめて簡單かんたんなもので、端書はがきでもようりるところを、鄭重ていちよう封筒ふうとうれて三せん切手きつてつた、叔母をば自筆じひつぎなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
することの出來でき院長ゐんちやうは、かくしから十せんしてかれる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
せんでも廉價やすい?
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
ほんついたを三せんならばと直切ねぎつてく、はぬばたまやみもうけはこのほかにもるべし、信如しんによかることどもいかにもこゝろぐるしく、よし檀家だんかみゝにはらずとも近邊きんぺん人々/″\おもはく
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
上野うへの汽車きしや最後さいご停車場ステエシヨンたつすれば、碓氷峠うすひたうげ馬車ばしやられ、ふたゝ汽車きしやにて直江津なほえつたつし、海路かいろ一文字いちもんじ伏木ふしきいたれば、腕車わんしやせん富山とやまおもむき、四十物町あへものちやうとほけて、町盡まちはづれもりくゞらば
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
段々だん/\べへらして天秤てんびんまで仕義しぎになれば、表店おもてだな活計くらしたちがたく、つき五十せん裏屋うらや人目ひとめはぢいとふべきならず、また時節じせつらばとて引越ひきこしも無慘むざんくるまするは病人びやうほんばかり
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たゞし二百が一せん勘定かんぢやうにはあらず、こゝろすべし。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
おもはずこゑだかにまけましよまけましよとあとふやうにりぬ、人波ひとなみにのまれて買手かひてまなこくらみしをりなれば、現在げんざい後世ごせねがひに一昨日おとつひたりし門前もんぜんわすれて、かんざしほん七十五せん懸直かけねすれば
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
からつきりんなそでのぺら/\した、おそろしいながものまくあげるのだからね、うなれば來年らいねんから横町よこちやうおもてのこらずおまへ手下てしただよとそやすに、してれ二せんもらふと長吉ちやうきちくみるだらう
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おもて鹽物しほものやが野郎やらうと一しよに、しゞみしてはあしおよぶだけかつまわり、野郎やらうが八せんうれば十せんあきなひひはかならずある、一つは天道てんたうさまがやつこ孝行かう/\見徹みとほしてか、なりかくなり藥代くすりだいは三がはたら
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)