“見徹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みとほ57.1%
みとお42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むすめはだまつて笑つてゐたが、このときリンパー先生が、いきなりこつちを振り向いて、まるで将軍の胸底から、馬の頭も見徹みとほすやうな、するどい眼をしてしづかに云つた。
北守将軍と三人兄弟の医者 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
おもて鹽物しほものやが野郎やらうと一しよに、しゞみしてはあしおよぶだけかつまわり、野郎やらうが八せんうれば十せんあきなひひはかならずある、一つは天道てんたうさまがやつこ孝行かう/\見徹みとほしてか、なりかくなり藥代くすりだいは三がはたら
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
初対面の時には人並みはずれて遠慮がちだったくせに、少し慣れて来ると人を見徹みとおそうとするように凝視するその目は、いつでも葉子に一種の不安を与えた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
蛇のように小さくのたくっている梓川の本谷まで、私の立ってる山稜からは、逆落さかおとしに、まっしぐらに、遮るものなく見徹みとおされるので、私は髪の毛がよだって、岩壁を厚く縫っている偃松を
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)