見徹みとお)” の例文
初対面の時には人並みはずれて遠慮がちだったくせに、少し慣れて来ると人を見徹みとおそうとするように凝視するその目は、いつでも葉子に一種の不安を与えた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
蛇のように小さくのたくっている梓川の本谷まで、私の立ってる山稜からは、逆落さかおとしに、まっしぐらに、遮るものなく見徹みとおされるので、私は髪の毛がよだって、岩壁を厚く縫っている偃松を
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
平次は何もかも見徹みとおしていたのでしょう。