せん)” の例文
「一々お小言ぢや困りますね。兎も角、大した代物しろものだ。おせんと言つて年は二十一、骨細で、よく脂が乘つて、色白で愛嬌があつて——あツ」
けれど、孔明の一せん一扇は不思議な変化を八門の陣に呼んで、攻めても攻めてもそれは連城の壁をめぐるが如く、その内陣へ突き入る隙が見出せなかった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燕王覬覦きゆじょう無きあたわざりしといえども、道衍のせんして火をあおるにあらざれば、燕王いまだ必ずしも毒烟どくえん猛燄もうえんを揚げざるなり。道衍そも又何の求むるあって、燕王をして決然として立たしめしや。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
これが小便組の女王おせんの後ろで絲を引いてゐるアパツシユだつたのです。
「男と言つても、せん三郎さんと八百吉どんだけ」