“扇形”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おうぎがた38.1%
おうぎなり23.8%
あふぎがた19.0%
せんけい9.5%
セクトル9.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「俺は痣の熊吉の押し込んだ家というのを、江戸の絵図面に印を付けてみたが、不思議な事に本郷を真ん中にして扇形おうぎがたに拡がっている」
銭形平次捕物控:124 唖娘 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
露地が、遠目鏡とおめがねのぞさま扇形おうぎなりひらけてながめられる。湖と、船大工と、幻の天女と、描ける玉章を掻乱かきみだすようで、近くあゆみを入るるにはおしいほどだったから……
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「俺は痣の熊吉の押込んだ家といふのを、江戸の繪圖面に印を附けて見たが、不思議な事に本郷を眞ん中にして扇形あふぎがたに擴がつてゐる」
銭形平次捕物控:124 唖娘 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
音に聞くハンプトン・コートの扇形せんけい迷路、ヴェルサイユ宮殿の方形迷路、なども、遠くこれには及ばず、いて比類ひるいを求めるならば、歴史家の雄大なる幻想として残っている
地獄風景 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
もっとも水蒸気が多くなると、結晶は細い枝の集合即ち樹枝状になるのであって、この扇形セクトルが六枚集ったような形の結晶は、角板と樹枝状との両結晶型の中間型を示すものとして興味がある。
『雪華図説』の研究 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)