『逃げたい心（にげたいこころ）』

蒲原氏は四十七歳になつてゐた。蒲原家は地方の豪農で、もとより金にこまる身分ではなかつたが、それにしても蒲原氏のやうに、四十七といふ年になるまで働いて金をもらつた例がなく、事業や政治に顔を出した例もなく、かういふ身分の人々にありがちな名誉職に …

著者	坂口安吾
ジャンル	文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出	「文藝春秋　第一三年第八号」1935（昭和10）年8月1日
文字種別	新字旧仮名
読書目安時間	約37分（500文字/分）
朗読目安時間	約1時間2分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

専（ひた） 服装（いでたち） 発哺（ほつぽ） 吃驚（びっく） 労（いた） 兎口（おさいぐち） 鉈（なた） 躄（いざり） 赧（あか） 蒲原（かんばら） 羚羊（かもしか） 縹渺（ひょうびょう） 粗朶（そだ） 魚則（うおのり） 窃（ひそ） 瞶（みつ） 果敢（はか） 独語（ひとりごと） 熄（や） 湯槽（ゆぶね） 例（ためし） 戸隠（とがくし） 悠（ゆっ） 彷徨（さまよ） 彳（たたず） 嫋々（じょうじょう） 外丸（とまる） 区々（まちまち） 像（すがた）