もは)” の例文
旧字:
井沢香央の人々、七四かれにくこれかなしみて、もは七五しるしをもとむれども、七六ものさへ日々にすたりて、よろづにたのみなくぞ見えにけり。
しかる上は、もはら皇国の道を尊信いたし、最も敬神の儀怠慢いたすまじく、生涯しょうがい師弟の儀忘却つかまつるまじき事。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
これより建文の事に関せず、もはら国威を揚げしめんとして、再三いだす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
黄沙わうさの原騎馬走る見ればおのづからただもはらに道とほりけり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
六五ことわらせ給ふは、もはら金の徳をかろしめ、富貴の大業たいげふなる事をしらざるを罪とし給ふなるが、かの六六紙魚しぎよがいふ所もゆゑなきにあらず。
前生にありしときおのれをよくをさめ、慈悲の心もはらに、他人ことひとにもなさけふかくまじはりし人の、その善報によりて、今此のしやうに富貴の家にうまれきたり