“湍(せ)” の例文
爾時(そのとき)牝馬狂い出し、巌高く湍(せ)速く谷深きを物ともせず飛び越え跳び越え駈け廻る、この時ヒッポマネス馬身より流れ出づという。
と玄蕃は、木の根に躓(つまず)いた間に、七、八間も離れた二人の影を怒気凄じく追いかけた……たたたたたと闇の底を打って行く跫音の先に、轟(ごう)——と岩に湍(せ)く水音が聞こえた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)