“施(せ)” の例文
そこで罪人を呼んでその志をきいた。その答え、「官を辞して、命を捨て、施(せ)を行(ぎょう)じて、衆生に縁を結び、生(しょう)を仏家(ぶっけ)に受けて、一向に仏道を行ぜんと思う」
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
それ食(じき)は、色(いろ)を増(ま)し、力(ちから)をつけ、命(いのち)を延(の)ぶ。衣(ころも)は、寒(さむ)さをふせぎ、暑(あつさ)を支(さ)え、恥(はぢ)をかくす。人にものを施(せ)する人は、人の色(いろ)をまし、力(ちから)をそへ、命(いのち)を續(つ)ぐなり。
轎(かご)は山僧大列の中を通って、方丈の前で降り、まず、喫茶(きっさ)一碗(わん)の施(せ)を拝し裏の井泉(せいせん)で垢穢(くえ)を洗う。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)