)” の例文
新字:
かしこに人の住まざる家なく、しつの内にてらるゝことを教へんとてサルダナパロの來れることもあらざりき 一〇六—一〇八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
がたおそろしさはいなづまごとこゝろうちひらめわたつて、二十有餘年いうよねんあひだ奈何どうして自分じぶんこれらざりしか、らんとはざりしか。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
太皷たいこ、うたはせてはせてひとことしてたいとをりふし正太しようたさゝやいてかせれば、おどろいてあきれておいらはやだな。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
先づ明日の朝自分のねばならぬ事を胸に數へたが、お八重さんが今頃どうしてる事かと、友の身が思はれる。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
かうべめぐらしてわがをさなかりける程の事をおもへば、目もくるめくばかりいろ/\なる記念の多きことよ。我はいづこより語り始めむかと心迷ひてむすべを知らず。
「いや、それが出來ないのではなからう、んのだらう。負債も平氣、催促も平氣、嘲罵も近隣の評判も全然まつたく平氣なんだからな。少しも氣にかからんのだからな。」
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
ここに氣多けたさきに到りし時に、あかはだなるうさぎ伏せり。ここに八十神その菟に謂ひて云はく、「いましまくは、この海鹽うしほを浴み、風の吹くに當りて、高山の尾の上に伏せ」
しこと小西屋のよめと爲といふともはづかしからぬ女なりと長三郎は殊更ことさら戀慕こひしたふ心のまさりゆき夫婦は夫とも意附こゝろづか醫師いしやの言たる言葉を信とし縁談えんだんことわり此騷動さうどうに及びたるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
小机こづくゑに、茫乎ぼんやり頬杖ほゝづゑいて、待人まちびとあてもなし、ことござなく、と煙草たばこをふかりとかすと
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それに蠻勇ばんゆうもつにんじてるので、一採集さいしふしたものは、いくら途中とちう持重もちおもりがしても、それをてるといふことぬ。かたほねれても、つてかへらねば承知しようちせぬ。
此莊園でラクダルはゴロリところがつたまゝ身動みうごきもろくにず、手足てあしをダラリのばしたまゝ一言ひとことくちひらかず、たゞ茫乎ぼんやりがな一日いちにちねんから年中ねんぢゆうときおくつてるのである。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
たゞ勢の無い、蒼い顏をブラ下げて、何もずに室に燻ぶり込むでゐるだけであツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
第二日には、患者は次第に仕事に興味を生じ、それからそれへと何かをずには居られなくなる。例へば一群の根笹の一局部が枯葉なく綺麗になれば、序に其の全體をも綺麗にしたくなる。
此理性とは人性に具はる是非辨別の本源にて、所謂人の以て萬物に靈たる所以を指し、泛用の道理とは見解にもよ、決定にもよ、説にもよ、辨解にもよ、執りて以て其地を爲す者を指すなり。
尚白箚記 (旧字旧仮名) / 西周(著)
われもまたではかなはじ、かのごとも大人おとなとならば。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
いく丁斑魚めだかでも滿足まんぞくられんなら、哲學てつがくずにはられんでせう。いやしく智慧ちゑある、教育けういくある、自尊じそんある、自由じいうあいする、すなはかみざうたる人間にんげんが。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
種々いろ/\詮議せんぎしけれどももとよりおぼえなき事なれば云ふべき樣なく然れども宵に表を叩き宿を貸呉かしくれよと云ひしは此僧にちがひなし爰にて詮議せんぎんよりは奉行所へうつたへ可と願書を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
じみなることふやうなれどもいゑつぎのまらざるはなにかにつけて心細こゝろぼそく、このほどちう其方そなたのやうに、さびしいさびしいのひづめもではられぬやうなことあるべし
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
やうや鐵條網てつでうもうそとからお賽錢さいせんげたのを、へん男子をとこがノコ/\て、敬禮けいれいず、無遠慮むゑんりよに、あなはいつて加之あまつさへ賽錢さいせんんだのだから、先方せんばうになるとはらつのももつとも千ばん
杖持ちたる男冷笑あざわらひて、聖母いかでか猶太のいぬを顧み給はん、く跳り超えよといひつゝいよ/\翁に迫る程に、群衆は次第に狹きを畫して、翁のんやうを見んものをと、息をめて覗ひ居たり。
と、思返おもひかへしたものゝ、猶且やはり失望しつばうかれこゝろ愈〻いよ/\つのつて、かれおもはずりやう格子かうしとらへ、力儘ちからまかせに搖動ゆすぶつたが、堅固けんご格子かうしはミチリとのおとぬ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
云ひ謝罪わびにも來ねば此方もまた今日まで出入もなかつたが一體何で來たのだととはれて此方は天窓あたま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
るといつたらうそいが、るべく喧嘩けんくわはうかちだよ、いよ/\先方さきりにたら仕方しかたい、なにいざとへば田中たなか正太郎位しようたらうぐらゐ小指こゆびさきさと、ちからいはわすれて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此大仕掛このおほじかけ土器製造どきせいざうといふこと注意ちういすにはられぬのである。
かしらうち大屋おほやさんで御座ござりますからとてしほれるをすかして、さらば門口かどぐちまでおくつてる、からるゝやうのことぬわとてれらるゝに四隣あたりひとむねでゝはるかに見送みおくれば
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此類品このるゐひん、たしか福島縣下ふくしまけんか新地貝塚しんちかひづかからりはぬか)
さりとてこのまゝさしかんに、内政ないせいのみだれ攻撃こうげきたねりて、あさからぬ難義なんぎ現在げんざいうへにかゝれば、いかさまにばやとてなやみぬ、わがまゝもそのまゝ、氣隨きずいそのまゝ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
危險きけん危險きけん※』といふのでだれらうとぬ。
いまだにむすめこゝろせで、金齒きんばれたる口元くちもとい、い、子細しさいらしく數多あまた奴婢ひとをも使つかへども、旦那だんなさますゝめて十けんだな人形にんぎやうひにくなど、一つまのやうには
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ぼく吾助ごすけけるとひしを、姉樣ねえさまはかけまじとひたり、けては口惜くやしければ姉樣ねえさまおどろくほど上手じやうずに、のちはずにいますぐきてれよ、掃除そうぢなどはずともしとて箒木はヽきうばへば
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)