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脊
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せ
ふりがな文庫
“
脊
(
せ
)” の例文
そして、
広
(
ひろ
)
い、
広
(
ひろ
)
い、
野原
(
のはら
)
の
中
(
なか
)
に、
明
(
あ
)
くる
日
(
ひ
)
、一
本
(
ぽん
)
の
脊
(
せ
)
の
高
(
たか
)
いひまわりの
花
(
はな
)
と、一
本
(
ぽん
)
のかわいらしい、ひなげしが
咲
(
さ
)
いていました。
泣きんぼうの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
確に会員に相違ない十人近くの男達は、まるで初めて逢った人のように、
脊
(
せ
)
恰好から、歩き振りから、少しも見覚えがないのです。
覆面の舞踏者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
眼
(
め
)
に
掩
(
おほ
)
ひ
被
(
かぶ
)
さつてる
眉
(
まゆ
)
は
山羊
(
やぎ
)
のやうで、
赤
(
あか
)
い
鼻
(
はな
)
の
佛頂面
(
ぶつちやうづら
)
、
脊
(
せ
)
は
高
(
たか
)
くはないが
瘠
(
や
)
せて
節塊立
(
ふしくれだ
)
つて、
何處
(
どこ
)
にか
恁
(
か
)
う一
癖
(
くせ
)
ありさうな
男
(
をとこ
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
男の方は却つて椅子から腰を浮かして
頭
(
あたま
)
を
下
(
さ
)
げた。女は知らぬ風をして、向ふへ
廻
(
まは
)
つて、
鏡
(
かゞみ
)
を
脊
(
せ
)
に、三四郎の正面に腰を卸した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
白鳥は首をあげた。
閃々
(
せんせん
)
と光る水は
碧
(
あお
)
い火のように胸と
脊
(
せ
)
を洗った。朝の微光が赤い雲を照らした。白鳥は力づいて立上った。
聖アンデルセン
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
▼ もっと見る
お
氣
(
き
)
の
毒樣
(
どくさま
)
なこつたが
獨活
(
うど
)
の
大木
(
たいぼく
)
は
役
(
やく
)
にたゝない、
山椒
(
さんしよ
)
は
小粒
(
こつぶ
)
で
珍重
(
ちんちよう
)
されると
高
(
たか
)
い
事
(
こと
)
をいふに、
此野郎
(
このやらう
)
めと
脊
(
せ
)
を
酷
(
ひど
)
く
打
(
う
)
たれて
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
聞
(
きゝ
)
門
(
かど
)
の戸を明ればお松お花の兩人は藤三郎と
倶
(
とも
)
に雪まぶれに成しを
打拂
(
うちはら
)
ひて内に入お松は藤三郎を
脊
(
せ
)
より
下
(
おろ
)
しければお時は是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
合憎
(
あいにく
)
われとは
大分
(
だいぶ
)
はなれて居たのでよくは分らぬが、年は廿七、八まだ三十には成るまい、
不絶
(
しじゆう
)
、
点頭勝
(
うつむきがち
)
に、こちらに
脊
(
せ
)
を
向
(
む
)
けて腰かけて居る
夜汽車
(新字旧仮名)
/
尾崎放哉
(著)
気がつくと、もう黄色い
朝暾
(
あさひ
)
を
脊
(
せ
)
に浴びた末弟の虎吉が、若々しい声と一緒にニコニコした
円顔
(
まるがお
)
を窓からのぞかせていた。
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
新子は、妹の浅ましさに泣きたいような気持で、
脊
(
せ
)
を撫でてやると、美和子は思いがけなく、運転手に
啖呵
(
たんか
)
を切り始めた。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
ライラック色の
支那
(
しな
)
服をきた
脊
(
せ
)
の高い女だつた。廊下のまん中で立ちどまると、いきなりこつちへ横を見せて、奥の食堂の方を透かすやうに見た。
夜の鳥
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
素直に伸びたのを其のまゝ
撫
(
な
)
でつけた
白髪
(
しらが
)
の
其
(
それ
)
よりも、
尚
(
なお
)
多いのは
膚
(
はだ
)
の
皺
(
しわ
)
で、
就中
(
なかんずく
)
最も深く刻まれたのが、
脊
(
せ
)
を低く、
丁
(
ちょう
)
ど糸車を前に、
枯野
(
かれの
)
の末に
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
独り衣服のみに限らず一家においても表もあれば裏もある。人体においても表と裏とがあって
脊
(
せ
)
と胸とになっている。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
おつぎは
勘次
(
かんじ
)
が
起
(
おこ
)
した
塊
(
かたまり
)
を一つ/\に
萬能
(
まんのう
)
の
脊
(
せ
)
で
叩
(
たゝ
)
いてさらりと
解
(
ほぐ
)
して
平
(
たひら
)
にならして
居
(
ゐ
)
る。
輕鬆
(
けいしよう
)
な
土
(
つち
)
から
凝集
(
こゞ
)
つて
居
(
ゐ
)
た
塊
(
かたまり
)
は
解
(
ほぐ
)
せば
直
(
すぐ
)
に
吹
(
ふ
)
き
拂
(
はら
)
はれた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
頭
(
かしら
)
の
毛
(
け
)
長く
脊
(
せ
)
にたれたるが
半
(
なかば
)
はしろし、
丈
(
たけ
)
は
常並
(
つねなみ
)
の人よりたかく、
顔
(
かほ
)
は猿に似て赤からず、
眼
(
まなこ
)
大にして光りあり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
天
(
てん
)
の
恩惠
(
めぐみ
)
は
重
(
かさ
)
ね/″\
脊
(
せ
)
に
下
(
くだ
)
り、
幸福
(
かうふく
)
が
餘所行姿
(
よそゆきすがた
)
で
言寄
(
いひよ
)
りをる。それに
何
(
なん
)
ぢゃ、
意地
(
いぢ
)
くねの
曲
(
まが
)
った
少女
(
こめらう
)
のやうに、
口先
(
くちさき
)
を
尖
(
とが
)
らせて
運命
(
うんめい
)
を
呪
(
のろ
)
ひ、
戀
(
こひ
)
を
呪
(
のろ
)
ふ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
水野さんが
脊
(
せ
)
を
伸
(
のば
)
し、吉田さんが
駈
(
か
)
け出すと、コドモ委員の男の子や女の子が、もう二三人づれで泣く子をつれて、こつちへ駈け足でやつて来るところでした。
原つぱの子供会
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
そこでそっと足音をぬすんで——これは何のためであったかわからないが——薔薇のある方の窓のところへ立って、そこから
脊
(
せ
)
のびをして内を見まわして見た。
西班牙犬の家:(夢見心地になることの好きな人々の為めの短篇)
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
道家は土間へ入って
草鞋
(
わらじ
)
を脱ぎ、弓と
矢筒
(
やづつ
)
を持って
脊
(
せ
)
をかがめるようにして、老婆の傍の
莚
(
むしろ
)
の上に坐った。
赤い土の壺
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
停車場を出ると、
脊
(
せ
)
の高い男がのそりと来て挨拶する。それが長次郎の義兄だという宮本金作であった。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
といいながら、彼は立ち上り、両手を
脊
(
せ
)
に廻して例のゴリラの様な歩き
態
(
ぶり
)
をしつつ室内をドシリドシリと濶歩していたが、やがて食堂の前へ来てその
扉
(
ドア
)
を開いた。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
東
(
ひがし
)
の
門
(
もん
)
から
入
(
はひ
)
つて、
露店
(
ろてん
)
と
參詣人
(
さんけいにん
)
との
雜沓
(
ざつたふ
)
する
中
(
なか
)
を、
葵
(
あふひ
)
の
紋
(
もん
)
の
幕
(
まく
)
に
威勢
(
ゐせい
)
を
見
(
み
)
せた
八足門
(
はつそくもん
)
の
前
(
まへ
)
まで
行
(
ゆ
)
くと、
向
(
むか
)
うから
群衆
(
ぐんしう
)
を
押
(
お
)
し
分
(
わ
)
けて、
脊
(
せ
)
の
高
(
たか
)
い
武士
(
ぶし
)
がやつて
來
(
き
)
た。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
滑
(
なめ
)
らかに湯を浴び桜色に色づいた
腿
(
もも
)
の線は流し場に群れた人の
脊
(
せ
)
に区切られて見えなかった。女は浴び終ると、くるりと、脊中を向けて上り口に大股に踏み出した。
刺青
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
つまり
橘姫
(
たちばなひめ
)
の
御
(
ご
)
一
生
(
しょう
)
はすべてを
脊
(
せ
)
の
君
(
きみ
)
に
捧
(
ささ
)
げつくした、
世
(
よ
)
にも
若々
(
わかわか
)
しい
花
(
はな
)
の一
生
(
しょう
)
なのでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
その夜の闇のなかにひとつぶの昼の光をとめておくような気もちで島の
脊
(
せ
)
を燈明をともしにゆく。
島守
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
茶碗と箸とは飯粒のかたまりつきて胸悪くなりし頃船は
大連
(
だいれん
)
湾に着きぬ。三尺の天井に
脊
(
せ
)
ぐくまりたる我らはただ上陸せんことをのみ望みたれどもたやすくは許されず。
従軍紀事
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
上向
(
うわむき
)
になった大きな
鼻頭
(
はながしら
)
と、出張った
頬骨
(
ほおぼね
)
とが、彼の顔に
滑稽
(
こっけい
)
の相を与えていたが、
脊
(
せ
)
が高いのと髪の毛が美しいのとで、洋服を着たときの彼ののっしりした
厳
(
いかつ
)
い姿が
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
『
叔父
(
をぢ
)
さん/\、
獅子
(
しゝ
)
なんかの
方
(
ほう
)
では、
屹度
(
きつと
)
私共
(
わたくしども
)
を
怪物
(
ばけもの
)
だと
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
るんでせうよ。』と
叫
(
さけ
)
んだが
全
(
まつた
)
く
左樣
(
さう
)
かも
知
(
し
)
れぬ
暫時
(
しばし
)
は
其處此處
(
そここゝ
)
の
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
かくれに、
脊
(
せ
)
を
高
(
たか
)
くし
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
御者
(
ぎよしや
)
の
鼻唄
(
はなうた
)
も
暫
(
し
)
ばし
途断
(
とぎ
)
れて、馬の
脊
(
せ
)
に鳴る
革鞭
(
むち
)
の響、身に
浸
(
し
)
みぬ、吉田行なる
後
(
うしろ
)
なる車に、先きの程より対座の客の
面
(
おもて
)
、其の
容体
(
ようだい
)
、
訝
(
いぶか
)
しげに
眺
(
なが
)
め入りたる白髪の老翁
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
運転手の
脊
(
せ
)
なかが見えた。それから彼は透明な
窓硝子
(
まどガラス
)
に顔を持って行った。窓の外はもうすっかり穂を出している
芒原
(
すすきはら
)
だった。ちょうど一台の自動車がすれちがって行った。
ルウベンスの偽画
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
街灯の
灯
(
ひ
)
も
点
(
とも
)
つてゐない真ツ暗がりに、Kは自分の鼻先に
脊
(
せ
)
のひよろ高い男が立塞がつてゐるのを見たので、酔つ払がよくするやうにKは丁寧に帽子を取つてお辞儀をしたが
酒
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
よしや
脊
(
せ
)
に
暖
(
あたたか
)
ならずとも
旭日
(
あさひ
)
きら/\とさしのぼりて山々の峰の雪に移りたる景色、
眼
(
め
)
も
眩
(
くら
)
む
許
(
ばか
)
りの美しさ、
物腥
(
ものぐさ
)
き西洋の
塵
(
ちり
)
も
此処
(
ここ
)
までは
飛
(
とん
)
で来ず、
清浄
(
しょうじょう
)
潔白
実
(
げ
)
に
頼母敷
(
たのもしき
)
岐蘇路
(
きそじ
)
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
半之丞は機械人間の
脊
(
せ
)
に飛びのった。すると機械人間は彼の一念に
随
(
したが
)
って走りだした。ヒューヒューと風を切って、
暗澹
(
あんたん
)
たる甲州街道を江戸の方へ向って飛ぶように走っていった。
くろがね天狗
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
手当り次第の馬に跨ると、提灯を持った女馬子は
脊
(
せ
)
の低い、菅笠ばかりが目立って大きく見える後ろ姿を見せながら、馬の口をとって先に立った。馬はおとなしくとぼとぼと歩いた。
富士登山
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
黒服に銀のくさりをつけた
脊
(
せ
)
の高い門番に一言の下に追いかえされてしまいました。
フランダースの犬
(新字新仮名)
/
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー
(著)
その丸坊主の
脊
(
せ
)
をくぐめた様子が、この上も無い
俳諧
(
はいかい
)
に感じられたものと思われる。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
馬の
脊
(
せ
)
の様な狭い山の上のやゝ
平凹
(
ひらくぼ
)
になった
鞍部
(
あんぶ
)
、
八幡
(
はちまん
)
太郎
(
たろう
)
弓かけの松、鞍かけの松、など云う
老大
(
ろうだい
)
な赤松黒松が十四五本、太平洋の風に吹かれて、
翠
(
みどり
)
の
梢
(
こずえ
)
に
颯々
(
さっさつ
)
の音を立てゝ居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
金眸も
透
(
とお
)
さず黄金丸が、
太股
(
ふともも
)
を噛まんとす。噛ましはせじと
横間
(
よこあい
)
より、鷲郎は
躍
(
おど
)
り
掛
(
かかっ
)
て、金眸が
頬
(
ほお
)
を噛めば。その隙に黄金丸は跳起きて、金眸が
脊
(
せ
)
に
閃
(
ひら
)
りと
跨
(
またが
)
り、耳を噛んで左右に振る。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
古インドに勇士ケレサスバ海蛇を島と心得その
脊
(
せ
)
で火を焼く、熱さに驚き蛇動いて勇士を顛倒したと言い、十六世紀にオラウスが記したスウェーデンの海蛇は
長
(
たけ
)
二百フィート周二十フィート
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
人一人殖えた事ゆえ、これはさもあるべき事ながら、唯怪しむ
可
(
べ
)
きはお勢と席を
同
(
おなじゅう
)
した時の文三の感情で、何時も可笑しく気が改まり、円めていた
脊
(
せ
)
を引伸して頸を据え、
異
(
おつ
)
う済して変に片付る。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
多くの僧俗に出迎はれて出て来た人は
田鶴子姫
(
たづこひめ
)
ではなくて、金縁の
目鏡
(
めがね
)
を掛けて
法衣
(
はふえ
)
の下に紫の
緞子
(
どんす
)
の
袴
(
はかま
)
を
穿
(
はい
)
た三十二三の
痩
(
やせ
)
て
脊
(
せ
)
の高い僧であつた。
御門主
(
ごもんしゆ
)
、
御門主
(
ごもんしゆ
)
と云ふ声が
其処此処
(
そこここ
)
から
起
(
おこ
)
つた。
御門主
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
秋成は湯鑵の
蓋
(
ふた
)
をとつて見た。煮くたらかされて疲れ果て、液体のまん中を
脊
(
せ
)
のやうに盛り上げて
呻吟
(
しんぎん
)
してゐる湯を
覗
(
のぞ
)
いて
眉
(
まゆ
)
を
皺
(
しわ
)
めた。物思ひに
耽
(
ふけ
)
つて居るうちに茶の湯が煮え過ぎて
仕舞
(
しま
)
つてゐた。
上田秋成の晩年
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
蚕豆
(
そらまめ
)
と麦秋の頃、舟舞台水にうかびて、老柳堀にしだれて、ひりへうと子らぞ吹きける、撥上げてとうとたたきぬ。見えず
媼
(
をば
)
、舟多きから、我が言へば、さらばかくませ、この
脊
(
せ
)
にと、
両手
(
もろて
)
後
(
あと
)
にす。
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
翌日
(
あくるひ
)
聞けば殺された奴は
盲目
(
めくら
)
の侍だそうで、其の時図らず取った煙草入だが、持っていちゃア悪かろうとぐず/\している
中
(
うち
)
に親父の大病、医者に掛けるにも銭はなし、
脊
(
せ
)
に腹は代えられねえから
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その矢は先に立っていた者を
殪
(
たお
)
した。すると後の三人が
吼
(
ほ
)
えるように怒って、剣を抜いて弓を射た者を捜しだした。万は刀をかまえて扉の後にぴったり
脊
(
せ
)
をくッつけて、すこしも動かずに待っていた。
五通
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
山猫は青い眼を光らせ、
脊
(
せ
)
を丸くして私たちをじっと見つめていた。佐竹はしずかに腕を伸ばして吸いかけの煙草の火を山猫の鼻にぴたっとおしつけた。そうして佐竹の姿は巖のように自然であった。
ダス・ゲマイネ
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「
脊
(
せ
)
の高い一寸外国人のような方ですが」
真珠塔の秘密
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
代 の かげ の 並ぶ その
脊
(
せ
)
よ。
御霊うぶや
(新字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
わが
脊
(
せ
)
捬
(
う
)
つ
翅
(
つばさ
)
かくやく
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
中
(
なか
)
には、
脊
(
せ
)
の
高
(
たか
)
いりっぱな
馬
(
うま
)
を
買
(
か
)
って、
喜
(
よろこ
)
んで
引
(
ひ
)
いてゆく
男
(
おとこ
)
もありました。
彼
(
かれ
)
は、うらやましそうに、その
男
(
おとこ
)
の
後
(
うし
)
ろ
姿
(
すがた
)
を
見送
(
みおく
)
ったのです。
百姓の夢
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
脊
常用漢字
中学
部首:⾁
10画
“脊”を含む語句
脊負
脊髄
脊丈
脊椎
脊柱
脊高
脊梁
脊伸
脊恰好
脊中
脊筋
中脊
脊髄癆
山脊
猫脊
脊椎骨
脊長
脊低
脊髓
脊骨
...