“上向”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うわむ26.3%
うえむき15.8%
うはむき10.5%
うわむき10.5%
あおむ5.3%
あほむき5.3%
あをむけ5.3%
うはむ5.3%
うへむき5.3%
かみむ5.3%
かみむき5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして花は上向うわむきに咲くものもあれば、横向きに咲くものもあり、また下向きに咲くものもあって、みな小梗しょうこうを有している。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
彼は上向うえむきに長々とねそべって眼をつむっていた。彼女はやがて金目をそらで勘定しながら、反物を風呂敷に包んだ。
窃む女 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
さし上げた腕の間から皆めいめいに上向うはむきの頭がみえる。海藻かいさう地衣こけがこの浮標うき垂下たれさがつてゐる。東から吹く風に、この髮の毛がふくらんで、おのづと拍子をとつて波動してゐる。
さしあげた腕 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
医者は死体にかぶせてあった敷布をとり除けた。家令のドバルは平素いつも着ているビロードの服を着、長靴を履いたまま、片手を下にして上向うわむきに倒れていた。
上向あおむけになつて、すや/\と眠つてゐるんだけれど、妾、その顔を暫く見てゐたら何となく気の毒になつてしまつて、そうツと出て来ちやつたけれど
夜の奇蹟 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「……これで、あなたが朝起きが出来るようになれば、あたしは返つて嬉しいわ。」と妻は上向あほむきの儘で自分では横も向けない医院の寝台の上で微かに眼を見開くと朗らかに呟いた。
F村での春 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
大きな口をあけて上向あをむけに寝て、裸の胸や腹を空に曝してゐる就中呑気者らしい一人が、やけに賛同して、突然
まぼろし (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
後ろから突いたから、一應女と思ふのも尤もだが、女が匕首あひくちを持つて向う突きにしたとすると、傷口は上向うはむく筈だ——第一返り血が大變だから、其邊にウロウロして居ると直ぐ見つかる
はいしかたは普通ふつう挨拶あいさつやうあたまたゝみちかげると同時どうじに、兩手りやうててのひら上向うへむきひらいて、それあたま左右さいうならべたまゝ、すこものかゝへた心持こゝろもちみゝあたりまでげるのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
若旦那の甲子太郎きねたらう樣や、奉公人達が多勢飛んで來ましたが、——殺されたとなると、お上向かみむきも面倒になるし、商賣柄人樣にうらまれてゐるからだと、世間樣に思はれるのも口惜しいから
家督かとくせんと其の事上向かみむきへ願ふ存念ぞんねんならん然樣さやうの儀ならばなんぞやかくせず共致し方如何程も有べきに忠義のこゝろざしは却つて主家のがいとならんしかしながら屆けの趣き聞置なり呉々くれ/″\も右の者ども行方ゆくへは早々吟味致し若し市中しちうゐる
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)