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薄
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うす
ふりがな文庫
“
薄
(
うす
)” の例文
そら
雲
(
くも
)
が
日
(
ひ
)
を
隱
(
か
)
くした!
薄
(
うす
)
い
影
(
かげ
)
が
野
(
の
)
の
上
(
うへ
)
を、
海
(
うみ
)
の
上
(
うへ
)
を
這
(
は
)
う、
忽
(
たちま
)
ち
又
(
また
)
明
(
あか
)
るくなる、
此時
(
このとき
)
僕
(
ぼく
)
は
決
(
けつ
)
して
自分
(
じぶん
)
を
不幸
(
ふしあはせ
)
な
男
(
をとこ
)
とは
思
(
おも
)
はなかつた。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
土井もそれに同意を表したくらゐ、彼女は
薄
(
うす
)
ぼんやりしてゐた。しかし漸と這ひ/\のできる子供は、甥の幼時に似て可愛ゆかつた。
閾
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
『ちょうど、旦那様ぐらいなお年頃で、背は、もちっと高く、
薄
(
うす
)
あばたが顔にあって、ずんと、田舎くさいお武家でござりましたが』
死んだ千鳥
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
所
(
ところ
)
へ
顏
(
かほ
)
の
割
(
わり
)
に
頭
(
あたま
)
の
薄
(
うす
)
くなり
過
(
す
)
ぎた
肥
(
ふと
)
つた
男
(
をとこ
)
が
出
(
で
)
て
來
(
き
)
て、
大變
(
たいへん
)
丁寧
(
ていねい
)
に
挨拶
(
あいさつ
)
をしたので、
宗助
(
そうすけ
)
は
少
(
すこ
)
し
椅子
(
いす
)
の
上
(
うへ
)
で
狼狽
(
あわて
)
た
樣
(
やう
)
に
首
(
くび
)
を
動
(
うご
)
かした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それが一
段
(
だん
)
向上
(
こうじょう
)
すると
浅黄色
(
あさぎいろ
)
になり、
更
(
さら
)
に
又
(
また
)
向上
(
こうじょう
)
すると、あらゆる
色
(
いろ
)
が
薄
(
うす
)
らいで
了
(
しま
)
って、
何
(
なん
)
ともいえぬ
神々
(
こうごう
)
しい
純白色
(
じゅんぱくしょく
)
になって
来
(
く
)
る。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
小生、
今朝
(
こんてう
)
ふと応接室へ
参
(
まゐ
)
り候所、この影の
薄
(
うす
)
き少女、
籐
(
とう
)
のテエブルの上へのしかかり、熱心に「けふの自習課題」を読み居り候。
伊東から
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
雲の
縞
(
しま
)
は
薄
(
うす
)
い
琥珀
(
こはく
)
の
板
(
いた
)
のようにうるみ、かすかなかすかな日光が
降
(
ふ
)
って来ましたので、本線シグナルつきの電信柱はうれしがって
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
従ってつい風景とか自然に対する親しみが比較的
薄
(
うす
)
かった、私はあまり
人気
(
ひとけ
)
のない山奥などへ出かけると不安で
堪
(
たま
)
らなくなるのである。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
木曾
(
きそ
)
は
檜木
(
ひのき
)
の
名所
(
めいしよ
)
ですから、あの
木
(
き
)
を
薄
(
うす
)
い
板
(
いた
)
に
削
(
けづ
)
りまして、
笠
(
かさ
)
に
編
(
あ
)
んで
冠
(
かぶ
)
ります。その
笠
(
かさ
)
の
新
(
あたら
)
しいのは、
好
(
い
)
い
檜木
(
ひのき
)
の
香氣
(
にほひ
)
がします。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
草餅
(
くさもち
)
が出来た。
蓬
(
よもぎ
)
は昨日鶴子が夏やと
田圃
(
たんぼ
)
に往って
摘
(
つ
)
んだのである。東京の草餅は、
染料
(
せんりょう
)
を使うから、色は美しいが、
肝腎
(
かんじん
)
の香が
薄
(
うす
)
い。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
その
途中
(
とちゅう
)
、山の上にさしかかりますと、
今
(
いま
)
までからりと
晴
(
は
)
れ
上
(
あ
)
がって
明
(
あか
)
るかった
青空
(
あおぞら
)
が、ふと
曇
(
くも
)
って、そこらが
薄
(
うす
)
ぼんやりしてきました。
白い鳥
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
骸骨係の清君、一郎君、ブウちゃん、良ちゃん、鉄ちゃんの五人は、道具などをかかえていそいそと
薄
(
うす
)
ぐらい骸骨館の中へ入っていった。
骸骨館
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
折
(
をり
)
から
雨
(
あめ
)
のあとの
面
(
おもて
)
打沈
(
うちしづ
)
める
蒼々漫々
(
さう/\まん/\
)
たる
湖
(
みづうみ
)
は、
水底
(
みなそこ
)
に
月
(
つき
)
の
影
(
かげ
)
を
吸
(
す
)
はうとして、
薄
(
うす
)
く
輝
(
かゞや
)
き
渡
(
わた
)
つて、
沖
(
おき
)
の
大蛇灘
(
おろちなだ
)
を
夕日影
(
ゆふひかげ
)
が
馳
(
はし
)
つた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
薄
(
うす
)
い
蒲團
(
ふとん
)
へくるまつて
日
(
ひ
)
の
中
(
うち
)
から
冷
(
ひ
)
えてた
足
(
あし
)
が
暖
(
あたゝま
)
らなかつた。うと/\と
熟睡
(
じゆくすゐ
)
することも
出來
(
でき
)
ないで
輾轉
(
ごろ/\
)
して
長
(
なが
)
い
夜
(
よ
)
を
漸
(
やうや
)
く
明
(
あか
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
昔から農は国の
本
(
もと
)
というたくらいであるから、いかに苦しくも、いかに利益が
薄
(
うす
)
くとも、国家のために
奮励
(
ふんれい
)
せよと説いて歩いた。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ところが人形には、
薄
(
うす
)
い
着物
(
きもの
)
の下に
釘
(
くぎ
)
がいっぱい、
尖
(
とが
)
った
先
(
さき
)
を外に
向
(
む
)
けてつまっているのです。いくら
大蛇
(
おろち
)
でもたまりません。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
子供
(
こども
)
は、これに
対
(
たい
)
して、すげなく
頭
(
あたま
)
をふりました。そして、うつろに
開
(
ひら
)
いた
目
(
め
)
で、
電燈
(
でんとう
)
の
光
(
ひかり
)
が、
薄
(
うす
)
く
弱々
(
よわよわ
)
しく
漂
(
ただよ
)
う、四
方
(
ほう
)
を
見
(
み
)
まわしました。
雲と子守歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いつのまにかじめじめした
薄
(
うす
)
ぎたない狭い通りに来たと思うと、はしなくもいつか古藤と一緒に上がった
相模屋
(
さがみや
)
の前を通っているのだった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
着ているのは、ふわりとした
薄
(
うす
)
い
紗
(
しゃ
)
の服で、
淡青
(
うすあお
)
い
唐草模様
(
からくさもよう
)
がついていた。
髪
(
かみ
)
はイギリス風に、長い
房
(
ふさ
)
をなして両の
頬
(
ほお
)
に
垂
(
た
)
れかかっていた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
夕暮
(
ゆふぐれ
)
の
薄
(
うす
)
くらきに
迷
(
まよ
)
ふ
心
(
こゝろ
)
もかき
暮
(
くら
)
されて
何
(
なに
)
と
言
(
いひ
)
入
(
い
)
れん
戸
(
と
)
のすき
間
(
ま
)
よりさし
覗
(
のぞ
)
く
家内
(
かない
)
のいたましさよ
頭巾
(
づきん
)
肩掛
(
かたかけ
)
に
身
(
み
)
はつゝめど
目
(
め
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何故と言って、自分の見ている薄暗い窓のなかが、自分の思っているようなものでは多分ないことが、僕にはもう
薄
(
うす
)
うすわかっているんです。
ある崖上の感情
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
「文字ノ精ハ人間ノ鼻・
咽喉
(
のど
)
・腹等ヲモ犯スモノノ如シ」と、老博士はまた誌した。文字を覚えてから、にわかに頭髪の
薄
(
うす
)
くなった者もいる。
文字禍
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
しかも物質的に報いられる所は
甚
(
はなは
)
だ
薄
(
うす
)
く給料等も時々の手当てに過ぎず
煙草銭
(
たばこせん
)
にも
窮
(
きゅう
)
することがあり衣類は
盆暮
(
ぼんく
)
れに仕着せを
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
初鮏は光り銀のごとくにして
微
(
すこし
)
青
(
あを
)
みあり、
肉
(
にく
)
の色
紅
(
べに
)
をぬりたるが
如
(
ごと
)
し。仲冬の頃にいたれば
身
(
み
)
に
斑
(
まだら
)
の
錆
(
さび
)
いで、
肉
(
にく
)
も
紅
(
くれな
)
ゐ
薄
(
うす
)
し。
味
(
あぢ
)
もやゝ
劣
(
おと
)
れり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
やがて五日
頃
(
ごろ
)
の月は
葉桜
(
はざくら
)
の
繁
(
しげ
)
みから
薄
(
うす
)
く光って見える、その下を
蝙蝠
(
こうもり
)
が
得
(
え
)
たり顔にひらひらとかなたこなたへ飛んでいる。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
あゝいと聖なる
威力
(
ちから
)
よ、汝我をたすけ、我をしてわが腦裏に
捺
(
お
)
されたる
祝福
(
めぐみ
)
の國の
薄
(
うす
)
れし
象
(
かた
)
を
顯
(
あら
)
はさしめなば 二二—二四
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
柊
(
ひいらぎ
)
の葉のやうに
薄
(
うす
)
つ
片
(
ぺら
)
で、そして又柊の葉のやうに触つた人を刺さないでは置かない雑誌だが、
市
(
まち
)
へ出す数も
極
(
ごく
)
少いので知らぬ人が多いやうだ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
なにぶん
薄
(
うす
)
い
鐵
(
てつ
)
の
板
(
いた
)
でつくり、これを
革
(
かは
)
の
紐
(
ひも
)
で
結
(
むす
)
び
合
(
あは
)
せたものでありますから、
今
(
いま
)
ではぼろ/\に
壞
(
こは
)
れて、
完全
(
かんぜん
)
に
遺
(
のこ
)
つてゐるものは
稀
(
まれ
)
であります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
九月十月の二た月は矢野もすこぶる元気よく経過し、体力のやや回復したにつれて、内心の不安もいつとなし
薄
(
うす
)
らぎ、血色などもよほどよくなった。
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
マーキュ
出來
(
でき
)
た。
此上
(
このうへ
)
は
洒落競
(
しゃれくら
)
べぢゃぞ。これ、
足下
(
おぬし
)
の
其
(
その
)
薄
(
うす
)
っぺらな
靴
(
くつ
)
の
底
(
そこ
)
は、
今
(
いま
)
に
悉
(
こと/″\
)
く
磨
(
す
)
り
減
(
へ
)
って、
果
(
はて
)
は
見苦
(
みぐる
)
しい
眞
(
ま
)
ッ
赤
(
か
)
な
足
(
あし
)
を
出
(
だ
)
しゃらうぞよ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
蛙や蝸牛などのグロテスクなものを
薄
(
うす
)
気味悪い思いをしてまで食べなくとも、
巴里
(
パリ
)
には
甘
(
うま
)
い料理がいくらもある。
異国食餌抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
うつむいていると、
美濃紙
(
みのがみ
)
が
薄
(
うす
)
く白いので、窓の外の雲の姿や桐の梢の
紫
(
むらさき
)
の花の色まで
沁
(
し
)
みて写りそうであった。
魚の序文
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
この作の
表現形式
(
へうげんけいしき
)
や
構圖
(
こうづ
)
の不統一な事を
擧
(
あ
)
げて、作のテエマの
效果
(
エフエクト
)
が
薄
(
うす
)
いと云ひ、私は作の
構圖
(
こうづ
)
や
形式
(
けいしき
)
に對する
缺點
(
けつてん
)
を
蔽
(
おほ
)
ふ丈けに、作の内容が
深
(
ふか
)
い
爲
(
た
)
めに
三作家に就ての感想
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
……そうしてそんな
薄
(
うす
)
ぐらい道ばたなどで、私は私の方に身を
靠
(
もた
)
せかけてそれ等のものをよく見ようとしている彼女のしなやかな肩へじっと目を注ぎながら
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
もしまた
医学
(
いがく
)
の
目的
(
もくてき
)
が
薬
(
くすり
)
を
以
(
もっ
)
て、
苦痛
(
くつう
)
を
薄
(
うす
)
らげるものと
為
(
な
)
すなれば、
自然
(
しぜん
)
ここに一つの
疑問
(
ぎもん
)
が
生
(
しょう
)
じて
来
(
く
)
る。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
しかし、今から思ふと、いくら呑気な大正時代でも、あんな粗末な体裁のわるい
薄
(
うす
)
つ
片
(
ぺら
)
な雑誌が、
数多
(
あまた
)
の名のある雑誌がならんでゐる店頭で、目につく筈がない。
思ひ出すままに:「文藝春秋」と菊池と
(新字旧仮名)
/
宇野浩二
(著)
見
(
み
)
ると
煎餅
(
せんべい
)
のやうな
薄
(
うす
)
つぺらの
蒲団
(
ふとん
)
で
爪
(
つめ
)
で
引掻
(
ひつか
)
くとポロ/\
垢
(
あか
)
が
落
(
おち
)
る冷たさうな
蒲団
(
ふとん
)
の
上
(
うへ
)
に
転
(
ころ
)
がつて
居
(
ゐ
)
るが、
独身者
(
ひとりもの
)
だから
薬
(
くすり
)
一
服
(
ぷく
)
煎
(
せん
)
じて
飲
(
の
)
む事も
出来
(
でき
)
ない
始末
(
しまつ
)
、金
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
本尊の阿弥陀様の
御顔
(
おかほ
)
は暗くて拝め無い、
唯
(
たヾ
)
招喚
(
せうくわん
)
の
形
(
かたち
)
を
為給
(
したま
)
ふ右の
御手
(
おて
)
のみが
金色
(
こんじき
)
の
薄
(
うす
)
い
光
(
ひかり
)
を
示
(
しめ
)
し給うて居る。貢さんは内陣を出て四畳半の自分の部屋に
入
(
はい
)
つた。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
小さい和尚さんは白い星か
薄
(
うす
)
い霧のやうな星の雲かでせう。
滑橋
(
すべりばし
)
もさうした雲のながれでせう。天の川のやうな。ずるずる滑るところがをかしいではありませんか。
お月さまいくつ
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
このふたりも、口もとに
微笑
(
びしょう
)
をうかべながら、
苔
(
こけ
)
のむした
丘
(
おか
)
と
薄
(
うす
)
暗い
茂
(
しげ
)
みのほうをながめました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
更に
行
(
ゆ
)
きて
畑
(
はたけ
)
の中に
佇
(
たゝず
)
む。月は
今
(
いま
)
彼方
(
かなた
)
の
大竹薮
(
おほだけやぶ
)
を離れて、
清光
(
せいくわう
)
溶々
(
やう/\
)
として
上天
(
じやうてん
)
下地
(
かち
)
を浸し、身は水中に立つの
思
(
おもひ
)
あり。星の光何ぞ
薄
(
うす
)
き。
氷川
(
ひかわ
)
の森も淡くして
煙
(
けぶり
)
と
見
(
み
)
ふめり。
良夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
居
(
を
)
ること
之
(
これ
)
を
頃
(
しばら
)
くして
其母
(
そのはは
)
死
(
し
)
す。
起
(
き
)
、
終
(
つひ
)
に
歸
(
かへ
)
らず。
曾子
(
そうし
)
、
(六六)
之
(
これ
)
を
薄
(
うす
)
んじて
起
(
き
)
と
絶
(
た
)
つ。
起
(
き
)
乃
(
すなは
)
ち
魯
(
ろ
)
に
之
(
ゆ
)
き
兵法
(
へいはふ
)
を
學
(
まな
)
び、
以
(
もつ
)
て
(六七)
〔魯〕
君
(
きみ
)
に
事
(
つか
)
ふ。〔魯〕
君
(
きみ
)
之
(
これ
)
を
疑
(
うたが
)
ふ。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
隱
(
かく
)
し
何氣
(
なにげ
)
なき體にて彼女中の客人は
今朝
(
こんてう
)
餘程
(
よほど
)
早
(
はや
)
く
立
(
たゝ
)
れたり貴樣の方へは
行
(
ゆか
)
ずやと
云
(
いふ
)
善六
頭
(
かしら
)
を
振
(
ふり
)
左樣
(
さやう
)
の
筈
(
はず
)
はなし
其譯
(
そのわけ
)
は
昨日
(
きのふ
)
途中にて駕籠へ
乘
(
のる
)
時
(
とき
)
駕籠蒲團
(
かごふとん
)
許
(
ばか
)
りでは
薄
(
うす
)
しとて小袖を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「名器は名器にしろ、あの
薄
(
うす
)
ぎたない茶壺が、柳生家門外不出の
逸品
(
いっぴん
)
と伝えられていたのは、さては、そういう宝の山の鍵がおさめられてあったのか。そうとも知らず——」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
情
(
じょう
)
薄
(
うす
)
かりき。われをしてふたたびその暖かき昔の友情を復活せしめよ。しょせん、境遇は境遇なり、運命は運命なり、かれらをうらやみて捨て去りしわれの小なりしことよ。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
秋になって病気もやや
薄
(
うす
)
らぐ、今日は心持が善いという日、ふと机の上に活けてある
秋海棠
(
しゅうかいどう
)
を見て居ると、何となく絵心が浮んで来たので、急に絵の具を出させて判紙
展
(
の
)
べて
画
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
〔ヱヴェレストは
思
(
おも
)
つたより
遠
(
とほ
)
いな〕と
独言
(
ひとりごと
)
しながら
四辺
(
あたり
)
を
見廻
(
みまは
)
すと、
薄
(
うす
)
い
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
が
美
(
うつく
)
しく
妖
(
あや
)
しく
漲
(
みなぎ
)
つて、
夕暮
(
ゆふぐれ
)
近
(
ちか
)
くなつたのだらう。
下界
(
した
)
を
見
(
み
)
ても、
雲
(
くも
)
や
霧
(
きり
)
でまるで
海
(
うみ
)
のやうだ。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
小兒
(
せうに
)
丈
(
だ
)
けはどうか
日本帝國
(
につぽんていこく
)
の
干城
(
まもり
)
となる
有爲
(
りつぱ
)
な
海軍々人
(
かいぐん/″\じん
)
にして
見
(
み
)
たい、
夫
(
それ
)
につけても、
日本人
(
にほんじん
)
の
子
(
こ
)
は
日本
(
にほん
)
の
國土
(
こくど
)
で
教育
(
けういく
)
しなければ
從
(
したがつ
)
て
愛國心
(
あいこくしん
)
も
薄
(
うす
)
くなるとは
私
(
わたくし
)
の
深
(
ふか
)
く
感
(
かん
)
ずる
所
(
ところ
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
月日
(
つきひ
)
と
共
(
とも
)
に
傷
(
きず
)
の
疼痛
(
いたみ
)
は
薄
(
うす
)
らぎ、
又
(
また
)
傷痕
(
きずあと
)
も
癒
(
い
)
えて
行
(
ゆ
)
く。しかしそれと
共
(
とも
)
に
悔
(
くゐ
)
も
亦
(
また
)
消
(
き
)
え
去
(
さ
)
るものゝやうに
思
(
おも
)
つたのは
間違
(
まちが
)
ひであつた。
彼女
(
かのぢよ
)
は
今
(
いま
)
初
(
はじ
)
めて
誠
(
まこと
)
の
悔
(
くゐ
)
を
味
(
あぢ
)
はつたやうな
氣
(
き
)
がした。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
若
(
も
)
し吾が直行の行ふところをもて
咎
(
とが
)
むべしと為さば、誰か有りて
咎
(
とが
)
められざらん、しかも
猶
(
なほ
)
甚
(
はなはだし
)
きを為して天も憎まず、命も
薄
(
うす
)
んぜず、応報もこれを
避
(
さく
)
るもの有るを見るにあらずや。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
薄
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
“薄”を含む語句
薄暗
薄明
薄暮
薄氷
薄笑
薄命
薄紅
薄倖
薄紗
薄荷
薄情
薄衣
薄闇
薄汚
薄化粧
薄茶
薄気味
薄穢
薄光
薄墨
...