“かろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カロ
語句割合
44.9%
40.9%
11.0%
火炉0.8%
0.4%
葭蘆0.4%
0.4%
貨賂0.4%
賈魯0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吹き折られた杉の傷のあとは、まだえない。そこからかろうじて吹き出した芽生えを見ているお豊の面には痛々しい色があります。
マアこの節はそのゴム人形も立派な国民となって学問もすれば商工業も働き、兵士にすれば一命をかろんじて国のめに水火にも飛込む。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
春枝夫人はるえふじんいた心配しんぱいして『あまりに御身おんみかろんじたまふな。』と明眸めいぼうつゆびての諫言いさめごとわたくしじつ殘念ざんねんであつたが其儘そのまゝおもとゞまつた。
火炉かろのむしろに腰をかけて、仲よしの二人は久しぶりに向きあった。東京から買って来たお土産の分度器ぶんどき巻尺まきじゃくが五助をたいへんよろこばせた。
雪魔 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
六五ことわらせ給ふは、もはら金の徳をかろしめ、富貴の大業たいげふなる事をしらざるを罪とし給ふなるが、かの六六紙魚しぎよがいふ所もゆゑなきにあらず。
おもふに名とたからともとむるに心ふたつある事なし。六一文字てふものにつながれて、金の徳をかろんじては、みづから清潔ととなへ、六二すきふるうて棄てたる人をかしこしといふ。
光春が、田畑の畦道あぜみちから葭蘆かろの茂りまで、どこはどうと、知りぬいていることは、当然であった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
両軍とも小半日は葭蘆かろのあいだに、ブヨや蚊に喰われながらも、じっと対峙たいじしたまま、上将の号令を神妙に待っていたが、そのうちに、羽柴方の陣から美しい鞍を置いた一頭の放れ駒が
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
神よなんじは砕けたるくいしこころをかろしめたまうまじ。
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
神に奉る物も、人に贈る物も、悪い意味の貨賂かろをも皆マヒと云った。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
頭書に『輟耕録てっこうろく』二十九にもづとあるから取り出し読むと、果して至正十一年、執政脱々が工部尚書賈魯かろを遣わし、民夫十五万と軍二万を役して黄河を決せしめ、道民生をやすんぜず
原稿料を請取ると大いに満足して直ぐ何処どこへか旅行しようと得意になる心のさもしさをかろんじて日記にののしっている。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)