蒼穹あをぞら)” の例文
馴れたことだが今更らしく私は其處等の谷川や山や蒼穹あをぞらなどを心うれしく眺め𢌞した。眞實冷々して、單衣と襦袢とを透して迫つて來る夜氣はなか/\に悔り難い。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
だが、哥薩克にとつては寧ろ、自由な蒼穹あをぞらの下なる平地で寝る方が好ましい。柔かい羽根蒲団は彼等に用がない。新鮮な乾草を枕に、青草の上に長々と手足を伸ばすのだ。
私が見上げてゐた蒼穹あをぞらや、愉しく見下ろしてゐた、この建物たてものを中心にした、陽に輝いた、木立や草原や緑の丘の景色に比べると、屋根裏は、まるで地下室のやうに眞暗まつくらな氣がした。
うちあが蒼穹あをぞらによくひびきて。
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
蒼穹あをぞらばかり
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)