“あおばえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
青蠅58.3%
蒼蠅33.3%
青蝿8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なお、仕出屋の食事をつづけているらしく、勝手口の外には喰いちらかされた二人分の食器と、やっと暖かくなって来たかと思われるこの頃だのに、もうむくむくと肥った青蠅あおばえ
腐った蜉蝣 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
と、蒼蠅あおばえだ、緑金りょくこんの点々々が真向から目をち、頬を撲ち、鼻を撲ち、口を撲ち、たちどころにまた紫の螺旋らせんの柱となって襲いかかった。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
二人の別れたあとには、例のながむし死骸しがいにたかった青蝿あおばえが、相変わらず日の光の中に、かすかな羽音を伝えながら、立つかと思うと、止まっている。……
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
老婆は、鼻の先で笑いながら、つえを上げて、道ばたのながむし死骸しがいを突っついた。いつのまにかたかっていた青蝿あおばえが、むらむらと立ったかと思うと、また元のように止まってしまう。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)