“緋撫子”の読み方と例文
読み方割合
ひなでしこ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、何の気もなく窓の根元になった屋根の上をみると、小さな鬢盥が出してあって、その中に、唇を拭いた紙と、緋撫子をしぼったような、鮮麗な色の血が、あふれるほど吐いてあった。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とおい動揺みが、失神の耳にも通じたものか、そのとき竹童は、ピクリと鳩尾をうごかして、すこし顔を横にふった。そのへ、白蛇は銀の鎌首をむけて、緋撫子のようなをペロリとく。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)