トップ
>
茨
>
ばら
ふりがな文庫
“
茨
(
ばら
)” の例文
「毒婦だな、貴様は。——その美しい
容貌
(
きりょう
)
を持って生れながら何という情けない心だろう。
薊
(
あざみ
)
の花だ。
茨
(
ばら
)
の花だ」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうかと思うと
茨
(
ばら
)
だの、
櫨
(
はぜ
)
だの、
躑躅
(
つつじ
)
だの、もちだのというような、灌木の
叢
(
くさむら
)
が丘のように、地上へこんもりと生えていて、土の色をさえ見せようとしていない。
生死卍巴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
袖にさわつた
茨
(
ばら
)
の小枝の先きにも心を惹かれるほど、みのるの心は何も
彼
(
か
)
も懷しくなつて涙が溢れた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
幸
(
さいわ
)
いにも、
生命
(
いのち
)
には、
別状
(
べつじょう
)
もなかったが、
落
(
お
)
ちた
拍子
(
ひょうし
)
に、
茨
(
ばら
)
へ
引掛
(
ひっか
)
かって、
眼
(
め
)
を
潰
(
つぶ
)
してしまいました。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
植源いこうか
茨
(
ばら
)
脊負
(
しょ
)
うか、という
語
(
ことば
)
と共に、
界隈
(
かいわい
)
では古くから名前の響いたその植源は、お島の
生家
(
さと
)
などとは違って、
可也
(
かなり
)
派手な暮しをしていたが、今は有名な
喧
(
やかま
)
し
屋
(
や
)
の女隠居も年取ったので
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
夕雨
(
ゆふさめ
)
のしみらにそそぐ
茨
(
ばら
)
の垣萠えいづるそばに馬近づきぬ
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
名も知らぬ鳥
啄
(
ついば
)
めり赤き
茨
(
ばら
)
の
実
(
み
)
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
茨
(
ばら
)
にひきさく
野人
(
のゝひと
)
の
花守
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
「いいよ! 構わないでおくれよ! どうせ
茨
(
ばら
)
がきお延と云われるほど、持ちくずした私の身だもの、好き放題なことをして、野たれ死にするのは本望なんだよ」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
春といへどまだ寒むからし
茨
(
ばら
)
の葉に
面
(
かほ
)
寄する馬の
太
(
ふと
)
く
嚏
(
はなひ
)
る
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
光葉
(
てりは
)
の
茨
(
ばら
)
の花むらに頭を突つ込んでみい。
香ひの狩猟者
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
茨
常用漢字
小4
部首:⾋
9画
“茨”を含む語句
茨田
野茨
茨木童子
茨城
茨木屋
茨城県
茅茨
茨垣
茨木
茨組
茨蟹
花茨
莿茨
茨窪
茨田郡次
茨海
茨曾根村
茨木城
山茨
茨曾根
...