下手まづ)” の例文
わきに「是はしぼけた所と思ひ玉へ。下手まづいのは病氣の所爲せゐだと思ひ玉へ。嘘だと思はゞ肱を突いていて見玉へ」
子規の画 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
自分はそれらの小説を讀んで上手うまいとも下手まづいとも決める事が出來なかつた。
こんな風に振り向いて云ふ陶を見て、僕は下手まづい事になつたと気をんだ。
南京六月祭 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
「著かたが下手まづいからよ」
双面神 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
まづいと云ふ点から見れば双方ともに下手まづいに違ない。けれども佐久間大尉のはやむを得ずしてまづく出来たのである。呼吸が苦しくなる。部屋が暗くなる。鼓膜が破れさうになる。
艇長の遺書と中佐の詩 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)