トップ
>
隣家
>
りんか
ふりがな文庫
“
隣家
(
りんか
)” の例文
草
(
くさ
)
を
刈
(
かる
)
鎌
(
かま
)
をさへ
買求
(
かひもとむ
)
るほどなりければ、火の
為
(
ため
)
に
貧
(
まづし
)
くなりしに家を
焼
(
やき
)
たる
隣家
(
りんか
)
へ
対
(
むか
)
ひて
一言
(
いちごん
)
の
恨
(
うらみ
)
をいはず、
交
(
まじは
)
り
親
(
したし
)
むこと常にかはらざりけり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
これを
機会
(
しお
)
に立去ろうとして、振返ると、荒物屋と
葭簀
(
よしず
)
一枚、
隣家
(
りんか
)
が
間
(
ま
)
に合わせの郵便局で。
其処
(
そこ
)
の
門口
(
かどぐち
)
から、すらりと出たのが例のその人。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
たって行ったあとのうちを
閉
(
し
)
めてかぎを家主にわたしてくれることをたのまれた
隣家
(
りんか
)
の人がそのときわたしに声をかけた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
隣家
(
りんか
)
の主人が来て、数日来猫が居なくなった、不思議に思うて居ると、今しがた桑畑の中から腐りかけた死骸を発見した。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
かげろうの
上
(
のぼ
)
る、かがやかしい
田畑
(
たはた
)
や、
若草
(
わかくさ
)
の
芽
(
め
)
ぐむ
往来
(
おうらい
)
や、
隣家
(
りんか
)
の
垣根
(
かきね
)
に
咲
(
さ
)
く
桃
(
もも
)
の
花
(
はな
)
や、いろいろの
景色
(
けしき
)
が
浮
(
う
)
かんで、なつかしい
思
(
おも
)
い
出
(
で
)
にふけると
心の芽
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
窓の先は
隣家
(
りんか
)
のやねで町は少しも見えない。青く深く澄んだ空に星の光りがいかにも遠く
遙
(
はる
)
けく見える。都会のどよみはただ一つの音にどやどやと鳴っている。
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
所が私の居る山本の
隣家
(
りんか
)
に
杉山松三郎
(
すぎやままつさぶろう
)
(杉山
徳三郎
(
とくさぶろう
)
の実兄)と云う若い男があって、面白い人物。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
渡
(
わた
)
し給はれと申しければお專は傳吉の顏を
熟々
(
つく/″\
)
打
(
う
)
ち
詠
(
なが
)
め
扨
(
さて
)
御前樣は
盜賊
(
たうぞく
)
に能々見込れ給ひしものと見えたり
今朝程
(
けさほど
)
お前樣よりお頼みのよしにてお
隣家
(
りんか
)
なる彌太八とか云る御人が
櫛
(
くし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
六十一種といふ名香の中に、紅塵、
富士煙
(
ふじのけぶり
)
などは名からして煙つてゐる。一字の月、卓、花は何と近代の新感情を盛ることか。ことに
隣家
(
りんか
)
にいたつては、秋深うして思ひ切なるものがある。
香ひの狩猟者
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
荻原は
隣家
(
りんか
)
の
翁
(
おきな
)
に注意せられて万寿寺に往ってみると浴室の後ろに
魂屋
(
たまや
)
があって、
棺
(
かん
)
の前に二階堂左衛門尉政宣の息女弥子
吟松院冷月居尼
(
ぎんしょういんれいげつきょに
)
とし、
側
(
そば
)
に古き
伽婢子
(
とぎぼうこ
)
があって
浅茅
(
あさぢ
)
と云う名を書き
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
この大きな
絨毯
(
じゅうたん
)
の上に、応接用の
椅子
(
いす
)
と
卓
(
テーブル
)
がちょんぼり
二所
(
ふたところ
)
に並べてある。一方の卓と一方の卓とは、まるで
隣家
(
りんか
)
の座敷ぐらい離れている。沼田さんは余をその一方に導いて席を与えられた。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
隣家
(
りんか
)
からの
延燒
(
えんしよう
)
を
防
(
ふせ
)
ぐに、
雨戸
(
あまど
)
を
締
(
し
)
めることは
幾分
(
いくぶん
)
の
效力
(
こうりよく
)
がある。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
「平常
隣家
(
りんか
)
と
懇意
(
こんい
)
にいたしておるか」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
草
(
くさ
)
を
刈
(
かる
)
鎌
(
かま
)
をさへ
買求
(
かひもとむ
)
るほどなりければ、火の
為
(
ため
)
に
貧
(
まづし
)
くなりしに家を
焼
(
やき
)
たる
隣家
(
りんか
)
へ
対
(
むか
)
ひて
一言
(
いちごん
)
の
恨
(
うらみ
)
をいはず、
交
(
まじは
)
り
親
(
したし
)
むこと常にかはらざりけり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
翌年の春、夫妻は二たび
赤沢君
(
あかざわくん
)
を訪うた。白は喜のあまり浮かれて
隣家
(
りんか
)
の鶏を追廻し、到頭一羽を絶息させ、
而
(
しか
)
して
旧主人
(
きゅうしゅじん
)
にまた損害を払わせた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ちょうどそのとき、
隣家
(
りんか
)
の
軒下
(
のきした
)
では、
男
(
おとこ
)
は
肩
(
かた
)
からてんびん
棒
(
ぼう
)
を
下
(
お
)
ろして、四十
前後
(
ぜんご
)
の
女房
(
にょうぼう
)
が
汚
(
よご
)
れた
小
(
ちい
)
さな
石油
(
せきゆ
)
を
入
(
い
)
れるブリキのかんを
手
(
て
)
に
下
(
さ
)
げて
出
(
で
)
てきました。
火を点ず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
聞付
隣家
(
りんか
)
の人々何事やらんと
追々
(
おひ/\
)
駈着
(
かけつけ
)
此體を見て大いに
駭
(
おどろ
)
き
憂
(
うれ
)
ひに沈みしお菊を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
礼子
(
れいこ
)
は外から
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
みさまに母に泣きすがった。いっしょけんめいに泣きすがって
離
(
はな
)
れない。
糟谷
(
かすや
)
も
座
(
ざ
)
につきながら
励声
(
れいせい
)
に
妻
(
つま
)
を
制
(
せい
)
した。
隣家
(
りんか
)
の
夫婦
(
ふうふ
)
も
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
んできてようやく座はおさまる。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
去年の暮にも、
隣家
(
りんか
)
の少年が空気銃を求め得て高く捧げて
歩行
(
ある
)
いた。隣家の少年では防ぎがたい。おつかいものは、ただ
煎餅
(
せんべい
)
の袋だけれども、雀のために、うちの
小母
(
おば
)
さんが
折入
(
おりい
)
って頼んだ。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
柿の赤き実
隣家
(
りんか
)
のへだて飛び越えてころげ廻れり
暴風雨
(
あらし
)
吹け吹け
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そのくもの
巣
(
す
)
は、
高
(
たか
)
い
木立
(
こだち
)
の
枝
(
えだ
)
から、
隣家
(
りんか
)
の二
階
(
かい
)
のひさしへかけているので、
隣
(
となり
)
の
屋根
(
やね
)
へ
上
(
あ
)
がるか、それとも
隣
(
となり
)
の
塀
(
へい
)
の
上
(
うえ
)
に
登
(
のぼ
)
らなければ、さおがとどかなかったのでした。
二百十日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
さてある日用ありて二里ばかりの所へゆきたる
留守
(
るす
)
、
隣家
(
りんか
)
の者
過
(
あやまち
)
て火を
出
(
いだ
)
したちまち
軒
(
のき
)
にうつりければ、弥左ヱ門が
妻
(
つま
)
二人
(
ふたり
)
の
小児
(
こども
)
をつれて
逃去
(
にげさ
)
り、
命
(
いのち
)
一ツを
助
(
たすか
)
りたるのみ
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
取
(
とら
)
れ大酒に
醉伏
(
ゑひふし
)
燒死
(
やけじに
)
たるに相違なき由にて其場は
相濟
(
あひすみ
)
たり是に依て村中
評議
(
ひやうぎ
)
の上にてお三ばゝの
死骸
(
しがい
)
は近所の者共
請取
(
うけとり
)
菩提寺
(
ぼだいじ
)
へぞ
葬
(
はうむ
)
りける
隣家
(
りんか
)
のお
清婆
(
きよばゝ
)
と云は常々お三ばゝと
懇意
(
こんい
)
なりければ
横死
(
わうし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
夜目にして黒きはふかき藤浪のしだれたりけり
隣家
(
りんか
)
なるらし
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
さてある日用ありて二里ばかりの所へゆきたる
留守
(
るす
)
、
隣家
(
りんか
)
の者
過
(
あやまち
)
て火を
出
(
いだ
)
したちまち
軒
(
のき
)
にうつりければ、弥左ヱ門が
妻
(
つま
)
二人
(
ふたり
)
の
小児
(
こども
)
をつれて
逃去
(
にげさ
)
り、
命
(
いのち
)
一ツを
助
(
たすか
)
りたるのみ
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
隣家
(
りんか
)
は、
薪炭商
(
しんたんしょう
)
であって、そこには、
達吉
(
たつきち
)
より二つ三つ
年上
(
としうえ
)
の
勇蔵
(
ゆうぞう
)
という
少年
(
しょうねん
)
がありました。
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
春ふかむ
隣家
(
りんか
)
のしろき花
一樹
(
ひとき
)
透影
(
すいかげ
)
ゆゑにいよよおもほゆ
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“隣家”の意味
《名詞》
隣にある家。
(出典:Wiktionary)
隣
常用漢字
中学
部首:⾩
16画
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
“隣”で始まる語句
隣
隣室
隣村
隣人
隣席
隣国
隣合
隣近所
隣座敷
隣町