許多ここだ)” の例文
多摩川にさらす手作りさらさらに何ぞこの許多ここだかなしき。こう万葉に詠まれたところのその景色のよい多摩川で彼は終日狩り暮した。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あまざかるひなともしる許多ここだくもしげき恋かもぐる日もなく」(巻十七・四〇一九)等の例に見るごとく、加行上二段に活用する動詞である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
大暴風おほあらしうすずみ色の生壁なまかべにさくら許多ここだくたたきつけたり
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
潮ひきし岩のくぼみの水溜り許多ここだ小蝦の影ひそみゐる
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
吾妹児破わぎもこは都婆那乎つばなを許多ここだ食雞良詩くいけらし昔見四従むかしみしより肥坐二雞林こえましにけり
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)