“鴈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
がん60.0%
かり40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
斎藤にも柳樽(やなぎだる)に瓦器盛りの肴を添えて送ることもある。雉(きじ)に葱(ねぎ)を添えてやったこともある。鴈(がん)をやったこともある。太刀一腰の進物のこともあった。
富豪のうえに女がその地方きっての美人であったから、豪家の少年達は争うて鴈(がん)の結納(ゆいのう)を持ちこんで婿になろうとしたが、どれもこれも女の父親の気にいらなかった。
阿宝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
何でも襖障子(ふすましやうじ)一面に葦と雁(かり)とを描(か)き、所々に鴈(かり)が羽叩(はばたき)して水を飛揚(とびあが)つてゐるのを配(あしら)つた上、天井には雁(かり)の飛ぶのを下から見上げた姿に、鴈(かり)の腹と翼の裏を描(か)いて居(を)つたといふので名高かつた。
其音(そのおと)が鴈(かり)の鳴聲(なきごゑ)によく似(に)てゐるのを二人(ふたり)とも面白(おもしろ)がつた。ある時(とき)は、平八茶屋(へいはちぢやや)迄(まで)出掛(でか)けて行(い)つて、そこに一日(いちにち)寐(ね)てゐた。さうして不味(まづ)い河魚(かはうを)の串(くし)に刺(さ)したのを、かみさんに燒(や)かして酒(さけ)を呑(の)んだ。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)