“其音”の読み方と例文
読み方割合
そのおと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
神楽坂へかゝると、ある商店で大きな蓄音器を吹かしてゐた。其音そのおとが甚しく金属きんぞく性の刺激を帯びてゐて、大いに代助のあたまこたへた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あめ不知しらときしもあきのはじめなり、洋燈ランプあぶらをさすをりのぞいた夕暮ゆふぐれそら模樣もやうでは、今夜こんや眞晝まひるやう月夜つきよでなければならないがとおもうちなほ其音そのおとえずきこえる。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そのうちとし段々だん/\片寄かたよつて、よる世界せかい三分さんぶんりやうするやうつまつてた。かぜ毎日まいにちいた。其音そのおといてゐるだけでも、生活ライフ陰氣いんきひゞきあたへた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)