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歸鴈
かへて
八重やお
前に
問ふことがある
春につきての
花鳥で
比べて
見て
何が
好きぞ
扨も
變つたお
尋ね
夫は
心々でも
御坐いませうが
歸鴈が
憐れに
存じられます
左りとては
異なことぞ
都の
春を
宜く
御存じ
私しが
歸鴈を
好きと
云ふは
我身ながら
何故か
知らねど
花の
山の
曉月夜さては
春雨の
夜半の
床に
鳴て
過ぎる
聲の
別れがしみ/″\と
身にしみて
悲しい
樣な
淋しいやうな
又來る
秋の
契りを