“きがん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
祈願25.0%
奇巌12.5%
帰雁9.4%
危巌9.4%
奇岩9.4%
鬼丸6.3%
機眼3.1%
歸鴈3.1%
危岩3.1%
器玩3.1%
奇玩3.1%
希願3.1%
綺紈3.1%
起龕3.1%
鬼眼3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
世はまさに、天龍寺の建立こんりゅうにかけた祈願きがんにこたえて、久遠くおん華厳法相けごんほっそう四海平和が地に降りてきたかのような観がある。——
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まさしく瑠璃るりの、群青ぐんじょう深潭しんたんようして、赤褐色の奇巌きがん群々むれむれがかっと反射したところで、しんしんとみ入るせみの声がする。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
が、帰雁きがんはいかにも無理じゃ。おれは余り可笑おかしかったから、次の日山へ行った帰りに、椿の葉を何枚も拾って来てやった。その葉の虫食いを続けて読めば、帰雁二どころのさわぎではない。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
足裏を破りすねを傷つけ、危巌きがんを攀じ桟道さんどうを渡って、一月の後に彼はようやく目指す山顛さんてん辿たどりつく。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
我がかみ越後には名をよぶ奇岩きがんおほき中にこれもその一ツ也。此笈掛岩おひかけいは氷柱つらゝこそ我が国の人すら目をおどろかすなれ。
千歳座は訥子とっし鬼丸きがん、猿十郎、源平の一座で第二流の芝居を興行し、中村座は荒太郎、仙昇、多見丸などの上方俳優で興行していたので、いわゆる大芝居は歌舞伎と新富との二座に限られた形で
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
備えておる。なに、どうしてそれが分ったというか。……はて、愚なる問い、それしきの心耳しんじ機眼きがんがのうて、いくさができるかよ。見ておれ、やがて物見が帰って来て告げることばを
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
心耳しんじ機眼きがん
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かへて八重やへやおまへふことがあるはるにつきての花鳥はなどりくらべてなにきぞさてかはつたおたづそれ心々こゝろ/″\でも御坐ございませうが歸鴈きがんあはれにぞんじられますりとてはなことぞみやこはる
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
御存ごぞんわたしが歸鴈きがんきとふは我身わがみながら何故なぜらねどはなやま曉月夜あかつきづきよさては春雨はるさめ夜半よはとこなきぎるこゑわかれがしみ/″\とにしみてかなしいやうさびしいやうなまたあきちぎりを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
山勢さんせいほとんど直立、くわふるに突兀とつこつたる危岩きがん路によこたはるに非れば、佶倔きつくつたる石南樹のたいさへぎるあり、し一たびあしあやまらんか、一てん忽ち深谷しんこくつるを以て、一行の両眼はつねそそぎて頭上の山頂さんてうにあり
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
鉄砲、火薬、望遠鏡、医薬品、皮革、染織類、日用器玩きがんの類、何でも信長は迎え入れるにやぶさかでない。わけても医学、天文、軍事に関する物など大いに欲求し熱望しているといっていい。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
千金をおしまずして奇玩きがんをこれあがなうので、董元宰とうげんさいの旧蔵の漢玉章かんぎょくしょう劉海日りゅうかいじつの旧蔵の商金鼎しょうきんていなんというものも、皆杜九如の手に落ちた位である。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
私がもつ美しく死にたいというひそやかな希願きがんと、何の関係があるか。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
綺紈きがんを羨まず
翩翩 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
諷経ふうきん散華さんげなどの式のあと、さらに禅門各大和尚たちの、起龕きがん念誦ねんじゅ奠湯てんとう奠茶てんちゃ拾骨しゅうこつ、——などこもごもな礼拝が行われ、さいごに宗訢そうきん笑嶺和尚の、偈辞げじが読まれ、笑嶺が満身から
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時に鬼眼きがんという術士があって、その店を州の役所の前に開いていたが、その占いがみな適中するというので、その店の前には大勢の人があつまっていた。