“散華”の読み方と例文
読み方割合
さんげ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして約三十分の間に、実に器用な夫人殺害と、屍体の空中散華さんげとをやって、八時頃なに食わぬ顔で帰ったのだ。どうだおそれ入ったか!
人間灰 (新字新仮名) / 海野十三(著)
観心寺、龍泉寺、天野山金剛寺あまのざんこんごうじみね谷々の寨寺とりででらで、護国のかねが鳴りひびいた。正行、正時の霊を弔う鐘であった。折から降り出した満天の散華さんげは、白い春の雪とって——。
日本名婦伝:大楠公夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしながらあらゆる武勇伝を超えて国民絶讃の的となり、全都民の涙を絞らしめ、孫子まごこの末までの語り草となって残ったものは、帝都の空に散華さんげした体当り戦闘機の諸勇士であった。
偉大なる夢 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)