“帰雁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きがん75.0%
かえるかり25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、守人は、すでに幾人いくたりかの生血を知っている水心子正秀すいしんしまさひでの作、帰雁きがんの一刀を腰にぶち込んで、忍びやかに方来居を立ちいでようとした。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
が、帰雁きがんはいかにも無理じゃ。おれは余り可笑おかしかったから、次の日山へ行った帰りに、椿の葉を何枚も拾って来てやった。その葉の虫食いを続けて読めば、帰雁二どころのさわぎではない。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
立ち尽くし、見詰め合っている二人の頭上には、練り絹に包まれたようなおぼろの月がかかってい、その下辺したべを、帰雁かえるかり一連ひとつらが通っていた。花吹雪が、二人の身を巡った。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)