祈願きがん)” の例文
皇孫命様こうそんのみことさま竜神様りゅうじんさままた産土神様うぶすなかみさま礼拝らいはいし、今日きょうにち任務つとめ無事ぶじつとめさせてくださいますようにと祈願きがんめることにしました。
世はまさに、天龍寺の建立こんりゅうにかけた祈願きがんにこたえて、久遠くおん華厳法相けごんほっそう四海平和が地に降りてきたかのような観がある。——
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こんもり木立こだちのしげるところに、丹塗にぬりのやしろがあって、そのまえに、ひとがひざまずいて、よく祈願きがんをこめていました。ちょうどこのとき、おとこは、かみさまにおれいをいっているのでした。
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なるほど。すると、まだまだ祈願きがんをしなければ、日本はりっぱになりませんね」
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
が、とうとう分散もせずにつつがないその日を送られるのは、皆甚内の御蔭でございますから、いつでもあの男の仕合せのために、人知れずおん母「まりや」様へも、祈願きがんをこめていたのでございます。
報恩記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
苦しめて自分が無事でおりましては何としても心が済まずばちが当ってくれたらよいと存じましてなにとぞわたくしにも災難さいなんをお授け下さりませこうしていては申訳もうしわけの道が立ちませぬと御霊様ごりょうさま祈願きがん
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
もぐりの流行神はやりがみなららぬこと、いやしくもただしいかみとしてんな祈願きがんみみかたむけるものは絶対ぜったいいとおもえばよろしいかとぞんじます。
「おお、わしのいたところか、じつは、そちだけにいってきかすが、わしはゆえあって、常陸ひたち鹿島かしまの宮、下総しもうさ香取かとりりょう神社に、七日ずつの祈願きがんをこめて参籠さんろうしておったのじゃ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はあ、大体わかったように思いますが、これは前回の地下戦車第一号とちがって、ずいぶん進歩したものですなあ。いや、これで自分の祈願きがんも、ききめがあらわれたというものであります」
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ひめさまというのは、まさしく、あの博物館はくぶつかんおさめられてある黄金こがねはこぬしであり、祈願きがんをかけたというのは、あのなかにはいっていたかみしたためられていた文字もじであろうとったのであります。
三つのかぎ (新字新仮名) / 小川未明(著)
かくわたくし白衣びゃくい姿すがたで、御神前ごしんぜん端坐たんざ祈願きがんし、それからあの竜神様りゅうじんさまのおやしろもうでて、これから竜宮界りゅうぐうかいまいらせていただきますと御報告ごほうこく申上もうしあげました。