たゝ)” の例文
小「嘘をつけえ、三百石の田地持が六百ばかりの端銭はしたぜにで江戸へこう筈はねえ、さアぐず/\するとたゝッ斬るぞ、仁助縛っちまえ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
私を棄てゝ心中するなんて、そんな奴なら了簡があります、愚図々々すれば女郎じょうろにでもたゝき売って金にして埋合うめあわせをするのだ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
恒「何様な仔細があるかア知らねえが、とっさんのこせえた棚をたゝき毀して縁切の書付を出すとア、話にならねえ始末だ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼奴あいつ己のこせえた棚の外から三つや四つ擲ったッて毀れねえことを知ってるから、先刻さっき打擲ぶんなぐった時、わざッと行灯のかげになって、くれい所で内の方からたゝきやアがったのは
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
うち出入ではいる者一同から、おさんどんにまでも宜く勤めますが、決しておべっかでするのではなく、信実しんじつに致しますので、番頭が肩が張ったと云えばぐにうしろへ𢌞ってたゝきます。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
仙「手前てめえは何うでもいが、此奴の名前なめえを云えよ、何処の奴だ、云わねえとたゝッ殺すぞ」
相「龜藏安受合やすうけあいするなよ、彼奴あいつと大曲で喧嘩した時、大溝おおどぶの中へ放り込まれ、水をくらってよう/\逃帰ったくらい、彼奴ア途方もなく剣術が旨いから、迂濶うっかたゝき合うとかなやアしない」
亥「盗人ぬすっとげていた恰好かっこうの悪い煙草入、これはたゝき売って酒でもくらえ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
其の頃は強談をする者が商人あきゅうどの店先へまいり、サアたゝき殺せと云ってどっさり坐り込みますと、表へ黒山のように人が立ちまして外聞が悪いから、余儀なく十か廿の金を持たして帰したものですが
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
仙「何うせッ首の飛ぶ身体じゃアねえか、云わねえとたゝッ殺すぞ」
其の打人うちてたゝき役小市こいちと云う人が上手です。此の人のつのは痛くって身体に障らんように打ちますが、刺青ほりもののある者はうしても強そうに見えるからひどく打ちまして、弱そうな者は柔かにちます。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
仙「云わねえな、うぬ、云わねえとたゝッ殺しちまうぞ」
長「生意気なことをかしやアがるとたゝなぐるぞ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)