たゝ)” の例文
寺と言ふ物が、奈良の内外にも幾つとあつて、横佩墻内かきつたゝへられてゐる屋敷よりも、もつと広大なものだとは聞いて居た。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
まして自ら進んで犠牲者たらうとした男の勇気をたゝへる気にもならんのです。わかつた……君……もう泣くのはおよしなさい。彼の口吻を真似れば、鬼頭令門は幸運児さ。
双面神 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
あたらしくひらきましたる詩の道に君が名たゝへ死なむとぞ思ふ
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)
わたしはそなたをたゝへる。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
旅行りよこうをしたさきで、いつもあたらしく小屋こやがけをして、それに宿やどりました。さうしてかならず、その小屋こやをほめたゝへるうたんで、宴會えんかいひらきました。これを、新室にひむろうたげといひます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
現代女性の心意気をたゝへなどした。
双面神 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
わたしは更に冬をたゝへる。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)