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擲
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たゝ
ふりがな文庫
“
擲
(
たゝ
)” の例文
その都度、跳ね上り、わが体を
擲
(
たゝ
)
き、気狂ひの真似をして恥づかしさの発情を誤魔化さうと
焦
(
あせ
)
らずにはゐられないのである。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
申
掛
(
かけ
)
甚だ
難澁
(
なんじふ
)
仕つり一命にも及ばんとなす
機
(
をり
)
是なる藤八
身延
(
みのぶ
)
山
參詣
(
さんけい
)
の歸り掛け幸ひ其處へ
差掛
(
さしかゝ
)
り私し
難儀
(
なんぎ
)
の體を見兼右の三人を
片端
(
かたはし
)
より
擲
(
たゝ
)
き
倒
(
たふ
)
して私しを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
正太ばかり客にしたのも胸にあるわな、いくら金が有るとつて質屋のくづれの高利貸が何たら樣だ、彼んな奴を生して置くより
擲
(
たゝ
)
きころす方が世間のためだ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
擲
(
たゝ
)
きつけるぞ! 貴様までが……」と父は恐しい権幕になった。枕でも投げようとしたのか、浅七は
恭三の父
(新字新仮名)
/
加能作次郎
(著)
『はア
今
(
いま
)
の
先
(
さ
)
き、
二人連
(
ふたりづれ
)
で、
何
(
な
)
んだか
知
(
し
)
んねえが、
金槌
(
かなづち
)
を
持
(
も
)
つて、
往來
(
わうらい
)
を
擲
(
たゝ
)
きながら
歩
(
ある
)
いて
居
(
ゐ
)
たツけ』
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
私は今に若も彼奴が親方の言葉に甘へて名を列べて塔を建てれば
打捨
(
うつちや
)
つては置けませぬ、
擲
(
たゝ
)
き殺して
狗
(
いぬ
)
に呉れます此様いふやうに擲き殺して、と明徳利の横面
突然
(
いきなり
)
打き飛ばせば
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
やがて、箒を畳の
上
(
うへ
)
へ
抛
(
な
)
げ出して、裏の窓の所へ行つて、立つた儘
外面
(
そと
)
を眺めてゐる。そのうち三四郎も
拭
(
ふ
)
き終つた。濡れ雑巾を
馬尻
(
ばけつ
)
の
中
(
なか
)
へぼちやんと
擲
(
たゝ
)
き込んで、美禰子の
傍
(
そば
)
へ
来
(
き
)
て、
並
(
なら
)
んだ。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
投付
(
なげつけ
)
しにぞ清三郎は
怒
(
いか
)
り
汝
(
おの
)
れ此間も四日市にて我を
擲
(
たゝ
)
き今又
斯
(
かく
)
投付
(
なげつけ
)
る事
此返報
(
このへんぱう
)
覺
(
おぼ
)
え居よと
罵
(
のゝし
)
りけるに扨は四日市の
盜人
(
ぬすびと
)
は
汝
(
おのれ
)
かと云はれてハツと思ひしかば
後
(
あと
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼
(
あ
)
んな
奴
(
やつ
)
を
生
(
いか
)
して
置
(
お
)
くより
擲
(
たゝ
)
きころす
方
(
はう
)
が
世間
(
せけん
)
のためだ、
己
(
おい
)
らあ
今度
(
こんど
)
のまつりには
如何
(
どう
)
しても
亂暴
(
らんぼう
)
に
仕掛
(
しかけ
)
て
取
(
とり
)
かへしを
付
(
つ
)
けようと
思
(
おも
)
ふよ、だから
信
(
のぶ
)
さん
友達
(
ともだち
)
がひに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
金槌
(
かなづち
)
で
往來
(
わうらい
)
を
擲
(
たゝ
)
くとは
奇拔
(
きばつ
)
である。
大笑
(
おほわら
)
ひをして、
自轉車隊
(
じてんしやたい
)
は
寺
(
てら
)
に
入
(
はい
)
つた。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
押取觀念しろと云ながら
片端
(
かたはし
)
よりばらり/\と打拂ひければ
瞬間
(
またゝくひま
)
に八九人の雲助共殘らず
擲
(
たゝ
)
き倒され
這々
(
はう/\
)
の
體
(
てい
)
にて散々に逃行ける故半四郎は其儘
打捨
(
うちすて
)
足
(
あし
)
を早めて此所を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
罪
(
つみ
)
のない
子
(
こ
)
は
横町
(
よこてう
)
の三五
郎
(
らう
)
なり、
思
(
おも
)
ふさまに
擲
(
たゝ
)
かれて
蹴
(
け
)
られて
其
(
その
)
二三
日
(
にち
)
は
立居
(
たちゐ
)
も
苦
(
くる
)
しく、
夕
(
ゆふ
)
ぐれ
毎
(
ごと
)
に
父親
(
ちゝおや
)
が
空車
(
からぐるま
)
を五十
軒
(
けん
)
の
茶屋
(
ちやゝ
)
が
軒
(
のき
)
まで
運
(
はこ
)
ふにさへ、三
公
(
こう
)
は
何
(
ど
)
うかしたか
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
よくもお祭りの夜は正太さんに仇をするとて私たちが遊びの邪魔をさせ、罪も無い三ちやんを
擲
(
たゝ
)
かせて、お前は高見で
采配
(
さいはい
)
を振つてお出なされたの、さあ
謝罪
(
あやまり
)
なさんすか、何とで御座んす
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
よくもお
祭
(
まつ
)
りの
夜
(
よ
)
は
正太
(
しようた
)
さんに
仇
(
あだ
)
をするとて
私
(
わたし
)
たちが
遊
(
あそ
)
びの
邪魔
(
じやま
)
をさせ、
罪
(
つみ
)
も
無
(
な
)
い三ちやんを
擲
(
たゝ
)
かせて、お
前
(
まへ
)
は
高見
(
たかみ
)
で
釆配
(
さいはい
)
を
振
(
ふ
)
つてお
出
(
いで
)
なされたの、さあ
謝罪
(
あやまり
)
なさんすか、
何
(
なん
)
とで
御座
(
ござ
)
んす
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
左のみ珍らしいとは思ひませぬけれど出際に召物の揃へかたが惡いとて如何ほど詫びても聞入れがなく、
其品
(
それ
)
をば脱いで
擲
(
たゝ
)
きつけて、御自身洋服にめしかへて、
吁
(
あゝ
)
、
私
(
わし
)
位不仕合の人間はあるまい
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
左
(
さ
)
のみ
珍
(
めづ
)
らしいとは
思
(
おも
)
ひませぬけれど
出際
(
でぎは
)
に
召物
(
めしもの
)
の
揃
(
そろ
)
へかたが
惡
(
わる
)
いとて
如何
(
いか
)
ほど
詫
(
わ
)
びても
聞入
(
きゝい
)
れがなく、
其品
(
それ
)
をば
脱
(
ぬ
)
いで
擲
(
たゝ
)
きつけて、
御自身
(
ごじゝん
)
洋服
(
ようふく
)
にめしかへて、
吁
(
あゝ
)
、
私位
(
わしぐらゐ
)
不仕合
(
ふしあはせ
)
の
人間
(
にんげん
)
はあるまい
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
擲
漢検1級
部首:⼿
18画
“擲”を含む語句
打擲
放擲
抛擲
擲倒
擲附
擲弾兵
手擲弾
投擲
擲殺
擲出
擲却
乾坤一擲
一擲
御打擲
擲弾
酒銭擲三緡
革擲
擲銭卜
書擲
横擲
...