たゝ)” の例文
旧字:
マア/\一寸ちよつとつておで、ポケツトヘ手を入れてからツポウではありますけれども、紙をたゝんで、小「これはお使賃つかひちんだよ、これからお忘れでないよ。 ...
西洋の丁稚 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
あしわすれたか投出なげだした、こしがなくば暖簾のれんてたやうにたゝまれさうな、年紀としそれて二十二三、くちをあんぐりやつた上唇うはくちびる巻込まきこめやう、はなひくさ、出額でびたひ
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
或はたゝめるは、まさにこの時なるなからむや、今は山と、人と、石室と、地衣植物と、じん天地を霧の小壺せうこに蔵せられて、混茫こんばう一切をべんぜず、登山の騎客はこと/″\く二合二勺にて馬を下る。
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
そぎたつきわみ、たゝなほる
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
死者狂いの四五十人が異口同音に、「それたゝめ、殺せ」とひしめいきおいすさまじく、前後左右より文治に打ってかゝりました。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
桐油合羽とういうがつぱちいさくたゝんで此奴こいつ真田紐さなだひもみぎつゝみにつけるか、小弁慶こべんけい木綿もめん蝙蝠傘かうもりがさを一ぽん、おきまりだね。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
不二よりるに、眼下に飜展ほんてんせられたる凸版地図レリイヴオ・マツプの如き平原のうち白面の甲府をぐりて、毛ばだちたるしわの波をたゝみ、その波頭に鋭峻えいしゆんとがりをてたるは、れ言ふまでもなく金峰山、駒ヶ嶽
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
うへはて引上ひきあげくも此方こなたをさしてたゝまつてるやうで、老爺ぢゞい差向さしむかつた中空なかぞらあつさがす。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
難儀なんぎさも、へびも、毛虫けむしも、とりたまごも、くさいきれも、しるしてあるはずはないのぢやから、薩張さツぱりたゝんでふところれて、うむとちゝした念仏ねんぶつとなんで立直たちなほつたはいが
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ならかつら山毛欅ぶなかしつき大木たいぼく大樹たいじゆよはひ幾干いくばくなるをれないのが、蘚苔せんたい蘿蔦らてうを、烏金しやくどうに、青銅せいどうに、錬鉄れんてつに、きざんでけ、まとうて、左右さいうも、前後ぜんごも、もりやまつゝみ、やまいはたゝ
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
片隅かたすみ二間ふたまたゝんだ六枚折ろくまいをり屏風びやうぶ如何いかにもさびしい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)