“畳紙”のいろいろな読み方と例文
旧字:疊紙
読み方割合
たとう50.0%
たとうがみ35.7%
たたうがみ3.6%
たたみがみ3.6%
たとうし3.6%
たゝうがみ3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
畳紙たとうの包を取りそろえて衣裳行李いしょうごうりに入れ、それと、かつらの箱と、あの時のかさとを自動車に積んで出掛けたあと、折よく二人きりになったので
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ですから、病院へ入ったあとで、針箱の抽斗ひきだしにも、畳紙たとうがみの中にも、しわになった千代紙一枚もなく……油染あぶらじみた手柄一掛ひとかけもなかったんですって。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けゆくまゝに燈火ともしびのかげなどうら淋しく、寝られぬなれば臥床ふしどらんもせんなしとて、小切こぎれ入れたる畳紙たたうがみとり出だし、なにとはなしに針をも取られぬ。
あきあはせ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
私から頼んで家元に在る装束の畳紙たたみがみに装束の名前を書いてもらいました。只圓は装束の僅少な田舎にいたものですから大した骨折ではないとタカをくくって引受けたらしいのです。
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
畳紙たとうしに包んだ仕立物を持って入って来ると急いでテーブルの上で包を解き、眼も覚めるような茜色の式服を取出して自慢らしく繰り拡げながら鶴子の方に振り返り
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
あめ何時いつあはれなるなかあきはましてにしむことおほかり、けゆくまゝに灯火ともしびのかげなどうらさびしく、られぬなれば臥床ふしどらんもせんなしとて小切こぎれたる畳紙たゝうがみとりだし
雨の夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)