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畳紙
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たとうがみ
ふりがな文庫
“
畳紙
(
たとうがみ
)” の例文
旧字:
疊紙
ですから、病院へ入ったあとで、針箱の
抽斗
(
ひきだし
)
にも、
畳紙
(
たとうがみ
)
の中にも、
皺
(
しわ
)
になった千代紙一枚もなく……
油染
(
あぶらじ
)
みた手柄
一掛
(
ひとかけ
)
もなかったんですって。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
取出したのは、
畳紙
(
たとうがみ
)
に入れた畳二枚ほどの大絵図面が三枚と、半紙一枚に書いた結び文が一通、平次はそれをくり拡げて、しばらくは眺め入りました。
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして彼女は
畳紙
(
たとうがみ
)
にさらさらと書きくだして、それを自分で持って行くべきか、仕えの女に持たせようかと考えているあいだにも、そとの声はつづいた。
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
冬の日、紫のお
高祖頭巾
(
こそずきん
)
を
被
(
かぶ
)
って、
畳紙
(
たとうがみ
)
や筆の
簾巻
(
すだれまき
)
にしたのを持って通ってゆく姿が今でも眼に残っている。
回想録
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
何のまじないに使ったものか、青竹にはさんだ祈願用の小さな
畳紙
(
たとうがみ
)
です。のみならず、その小さな
玉串
(
たまぐし
)
の表には、達者な筆で鬼子母神と書かれてあるのでした。
右門捕物帖:25 卒塔婆を祭った米びつ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
▼ もっと見る
黒皮縅
(
くろかわおどし
)
の鎧を着て二十四差した
黒縨
(
くろほろ
)
の矢を負い、
塗籠籐
(
ぬりごめとう
)
の弓を脇にかいばさんだ勇ましい姿であったが、
兜
(
かぶと
)
を脱いで背中にかけ、
箙
(
えびら
)
から、
小硯
(
こすずり
)
と
畳紙
(
たとうがみ
)
を取りだすと、すぐ願書を書きはじめた。
現代語訳 平家物語:07 第七巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
懐から取出した
畳紙
(
たとうがみ
)
、それを開くと針枕が入って居て、中には、金の
毫鍼
(
ごうしん
)
が十本、短いのは一寸五分ほどのから、長いのは五寸ほどのまで入って居ります。
禁断の死針
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのかわり、お前にあげようと思って、宿で頼んで、間に合わせに
拵
(
こしら
)
えておいたからッて、
畳紙
(
たとうがみ
)
に入っていたの。私はその方の奥様が着るのかと思ったんです。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
供の者は
畳紙
(
たとうがみ
)
に硯をそえて持って行き、右馬の頭の前に置いた。右馬の頭は、端然と硯に墨をあてがい、筆先を柔らげると重い筆さばきで書きながしたが、思い返していま一度書きあらためた。
荻吹く歌
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
其
(
そ
)
の
中
(
なか
)
から、
畳紙
(
たとうがみ
)
を
出
(
だ
)
して、ころ/\と
手
(
て
)
で
揺
(
ゆす
)
りながら
軒
(
のき
)
の
明前
(
あかりさき
)
へ
持
(
も
)
つて
出
(
で
)
た。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
藤兵衛が隣の部屋で食事をしている間に、誰かが藤兵衛に知れないように神棚に偽の
畳紙
(
たとうがみ
)
を置いて、すぐお勇の部屋へ引返し、置床の上から、
真物
(
ほんもの
)
の畳紙を持って行くことが出来るでしょうか。
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“畳紙”の解説
畳紙(「たとうがみ」または「たとうし」。元来「たたみがみ」がウ音便によって転訛したもの。帖紙とも)は、結髪の道具や衣類などを包むための紙である。単にたとう、タトウなどとも呼ばれる。
また、詩歌の詠草(草稿)や鼻紙などとして使う、畳んで懐に入れる紙(懐紙)を指すこともある。
着物などを包む畳紙は、厚手の和紙に渋や漆などを塗り折り目をつけたもので、三つ折にした後にその端を折り曲げることで中のものが落ちないようにする。
(出典:Wikipedia)
畳
常用漢字
中学
部首:⽥
12画
紙
常用漢字
小2
部首:⽷
10画
“畳”で始まる語句
畳
畳敷
畳句
畳付
畳半
畳数
畳廊下
畳々
畳算
畳屋