ちゞ)” の例文
勘次かんじはそれでも分別ふんべつもないので仕方しかたなしに桑畑くはばたけこえみなみわびたのみにつた。かれふる菅笠すげがさ一寸ちよつとあたまかざしてくびちゞめてつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
顴高く眉ちゞまれる老人は其眼を光らせて筆をふるへり。
頼襄を論ず (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
本當ほんたう枕元まくらもとなのせえ、みんなしてこゞつてせめえつたつて窮屈きうくつだつてやつとだけなんだから、天井てんじやうへはあたまつゝかりさう生命いのちでもなんでもちゞめらつるやうなおもひでさ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
どうかすると土手どてしづかであたゝかなことがあるので、つひだまされて蒲公英たんぽがまだとほはる遲緩もどかしげにくびしてては、またさむつたのにおどろいてちゞまつたやうな姿すがたである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)