ひそ)” の例文
こぞって首をなやまし、額をひそめ、しかして相告げて曰く。わが王わが宰相の奪掠を好む。それなんぞ我を
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ある夜玄機は例の如く、ともしびもとに眉をひそめて沈思していたが、ようやく不安になって席を起ち、あちこち室内を歩いて、机の上の物を取っては、またすぐに放下しなどしていた。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
いろ/\な恐ろしいこと、醜いこと、聞くさへ眉のひそめられるやうなこと、さういふことも、ほんの一時の黒雲の影のやうなもので、その耳目から早く/\通過して行つた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
暗に針綫しんせんとどめて双蛾をひそ
連城 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)