かけり)” の例文
書斎のなかは、妙にしんとしずまりかえり、時々、かすかに小鳥のかけりの音がきこえるほか、なんの物音もひびいて来ない。
キャラコさん:06 ぬすびと (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
たちまち、中空なかぞらに凄じいかけりの音が聞え、翼の丈、一間半もあろうかと思われる大鷲が、ゾヨゾヨと尾羽を鳴らしながら舞い降りて来て、むざんに案山子の頭に襲いかかったのである。
平賀源内捕物帳:萩寺の女 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
どこかで小鳥のかけりの音がする。
肌色の月 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)