かさ)” の例文
新字:
積みかさねたる柑子かうじ、地にゆだねたる鐵の器、破衣やれごろも、その外いろ/\の骨董を列ねたる露肆ほしみせの側に、古書古畫を賣るものあるを見き。
二三の眞理は直に根則より出づべけれど、その他の眞理は斷案と斷案とを積みかさねてはじめて出だすことを得べし。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
こゝろなく投げかさねたらむやうに見ゆる、いしずゑの間より、水流れ落ちて、月はあたかも好し棟の上にぞ照りわたれる。河伯うみのかみの像は、重き石衣いしごろもを風に吹かせて、大なる瀧を見おろしたり。