かさ)” の例文
人目を避けて、うずくまって、しらみひねるか、かさくか、弁当を使うとも、掃溜はきだめを探した干魚ほしうおの骨をしゃぶるに過ぎまい。乞食のように薄汚い。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
されどあゝ齒をかみあはす彼を見給へ、ほかに告ぐべきことあれど彼わがかさ引掻ひきかかんとてすでに身を構ふるをおそる 九一—九三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「飛んでもない、あつしは飮んで食ふだけが藝當で。親分も御存じの通り、かさと道樂氣は、これんばかりもありやしません」
そこへまた油薬のやうなものを塗つて呉れた。ひどく苦んだ漆瘡しつさうの男根図はかくのごとくにしてつひに直つた。かさは極く『平凡』にえた。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
その上にも一しょに入る未亡人からは、流し場で、一面にかさになった体をたでてもらえる。そのおりのことを、彼はいつまでも忘れないでいる。
「ああまでかさを吹くまでにゃあ二月三月は経ったろうに、渡りたあ言いながらあの様でどうして——? はて、こいつあちょっと合点が行かねえ。」
さてマルコの書をユールが注して、これはがくの事だろう、イタリアのマッチオリは鱷の胆が小かさや眼腫に無比の良薬だといったと言うたは甚だ物足らぬ。
とりわけ人に嫌らわれるのは、彼の頭の皮の表面にいつ出来たものかずいぶん幾個所いくこしょかさだらけの禿はげがあった。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
與吉よきちはにかんだやうにして五りん銅貨どうくわくちびるをこすりながらつてた。かれくち兩端りやうはしにはからすきうといはれてかさ出來できどろでもくつゝけたやうになつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そはとにかくに糞の歌も、厠の歌も、犢鼻褌ふんどしの歌も、腋毛わきげの歌も、かさの歌も歌として書に載せられをる事実は争ふべきにあらず。歌必ずしもことごとく上品ならんや。
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
やがてはかさを掻くだろう、鼻が落ちたり眼がつぶれたり、うみがジクジク流れ出したり……といってそいつを止めさせるような、好い運、俺にゃア巡って来ねえ。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「ふん、本当の医者を捜すなんざあ、野原で風を追っかけるも同じさ。悪魔の尻尾をつかまえるも同じさ。かさっかきめが。何て可笑しな奴だ。ああ、やれやれ。」
追放されて (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
その下は、ただ鹹沢しおざわの結晶がかさのようにみえるだけで、旧根樹ニティルダ・アンティクスの枯根がぼうぼうと覆うている。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
これはおいを遠矢にかけて、その女房を奪ったとやら申すむくいから、左の膝頭にその甥の顔をした、不思議なかさが現われて、昼も夜も骨をけずるような業苦ごうくに悩んで居りましたが
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
おらアもう腹一抔借尽かりつくして、婆さんも愛想あいそが尽きて寄せ附けねえと云うので、おれも行ける義理はえからなア、土浦へ行ってくすぶって居たが、そのうちかさは吹出す、けえる事も出来ず
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
信一が餅菓子を手当り次第に口へふくんでは、ぺっ/\と光子の顔へ吐き散らすと、見る/\うちにさしも美しい雪姫の器量も癩病やみかかさっかきのように、二た目と見られない姿になって行く面白さ。
少年 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
さすがの后も躊躇ちゅうちょせられたが、千人目ということにひかされてついに辛抱しんぼうして玉手ぎょくしゅをのべて背をこすりにかかられた。すると病人が言うに、わたくしは悪病をわずらって永い間このかさに苦しんでおります。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
人目を避けて、うずくまつて、しらみひねるか、かさくか、弁当を使ふとも、掃溜はきだめを探した干魚ほしうおの骨をしゃぶるに過ぎまい。乞食こじきのやうに薄汚うすぎたない。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しかはあれ、一切の虚僞いつはりを棄てつゝ、汝の見し事をこと/″\くあらはし、かさある處は人のこれを掻くにまかせよ 一二七—一二九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
だい/\と笠と柿を賣物にして、『親代々かさつかき』と呼んだといふのは小噺こばなしにあるが、それとは少し違ふやうだな、八」
「何さ。為体の知れねえかさっかきだからのう、容貌そつぼう見識みしっとく分にゃ怪我はあるめえってことよ。うん、それよりゃあ彦、手前の種ってえのを蒸返し承わろうじゃねえか。」
「やい、かさッかき。てめえは誰の悪口を言うのだ」王鬍は眼を挙げてさげすみながら言った。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
たいしたものだ、いまだに貴方あなたのお暮しの話をして居りますが、あの時わっちア道楽のばちかさをかいて、医者も見放し、棟梁の処に雑用がたまり、薬代やくだいも払えず、何うしたらよかろうと思ってると
うちかれよめをとつてちひさな世帶しよたいつてかせぐことになつた。よめもなく懷姙くわいにんしたが胎兒たいじんでさうして腐敗ふはいしてた。自分じぶん他人ひとかさだといつた。二三にんうまれたがどれも發育はついくしなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
が、小鼻こばな両傍りやうわきからあごへかけて、くちのまはりを、ぐしやりと輪取わどつて、かさだか、火傷やけどだか、赤爛あかたゞれにべつたりとたゞれてた。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
だいだいと笠と柿を売物にして、『親代々かさっかき』と呼んだというのは小噺こばなしにあるが、それとは少し違うようだな、八」
プリシアンかの幸なき群にまじりて歩めり、フランチェスコ・ダッコルソ亦然り、また汝深き願ひをかゝるかさによせしならんには 一〇九—一一一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
それでも幼兒えうじぬのはかさだからといふのみで病毒びやうどく慘害さんがいはずもなくしたがつておそれるはずもなかつた。おしなはゝ非常ひじやう貧乏びんばふ寡婦ごけで、あしつかたぬのおしなふところにして悲慘みじめ生活せいくわつをしてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「話に聞いた人面瘡じんめんそう——そのかさの顔が窈窕ようちょうとしているので、接吻キッスを……何です、その花の唇を吸おうとした馬鹿ものがあったとお思いなさい。」
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あとでおたなへ行って尻をまくる奴があるかも知れないとか——嫌な千三つ屋じゃありませんか、あの野郎こそ、嘘つきで、胡麻擂ごますりで、手癖が悪くて、かさっかきで
あとでおたなへ行つて尻をまくる奴があるかも知れないとか——嫌な千三つ屋ぢやありませんか、あの野郎こそ、嘘きで、胡麻摺ごますりで、手癖が惡くて、かさつかきで