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瘡
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かさ
ふりがな文庫
“
瘡
(
かさ
)” の例文
人目を避けて、
蹲
(
うずくま
)
って、
虱
(
しらみ
)
を
捻
(
ひね
)
るか、
瘡
(
かさ
)
を
掻
(
か
)
くか、弁当を使うとも、
掃溜
(
はきだめ
)
を探した
干魚
(
ほしうお
)
の骨を
舐
(
しゃぶ
)
るに過ぎまい。乞食のように薄汚い。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
されどあゝ齒をかみあはす彼を見給へ、ほかに告ぐべきことあれど彼わが
瘡
(
かさ
)
を
引掻
(
ひきか
)
かんとてすでに身を構ふるをおそる 九一—九三
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「飛んでもない、あつしは飮んで食ふだけが藝當で。親分も御存じの通り、
瘡
(
かさ
)
ツ
氣
(
け
)
と道樂氣は、これんばかりもありやしません」
銭形平次捕物控:209 浮世絵の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこへまた油薬のやうなものを塗つて呉れた。ひどく苦んだ
漆瘡
(
しつさう
)
の男根図はかくのごとくにしてつひに直つた。
瘡
(
かさ
)
は極く『平凡』に
癒
(
い
)
えた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
その上にも一しょに入る未亡人からは、流し場で、一面に
瘡
(
かさ
)
になった体をたでてもらえる。そのおりのことを、彼はいつまでも忘れないでいる。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
▼ もっと見る
「ああまで
瘡
(
かさ
)
を吹くまでにゃあ二月三月は経ったろうに、渡りたあ言いながらあの様でどうして——? はて、こいつあちょっと合点が行かねえ。」
釘抜藤吉捕物覚書:02 梅雨に咲く花
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
さてマルコの書をユールが注して、これは
鱷
(
がく
)
の事だろう、イタリアのマッチオリは鱷の胆が小
瘡
(
かさ
)
や眼腫に無比の良薬だといったと言うたは甚だ物足らぬ。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
とりわけ人に嫌らわれるのは、彼の頭の皮の表面にいつ出来たものかずいぶん
幾個所
(
いくこしょ
)
も
瘡
(
かさ
)
だらけの
禿
(
はげ
)
があった。
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
與吉
(
よきち
)
は
羞
(
はにか
)
んだやうにして五
厘
(
りん
)
の
銅貨
(
どうくわ
)
で
脣
(
くちびる
)
をこすりながら
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
彼
(
かれ
)
の
口
(
くち
)
の
兩端
(
りやうはし
)
には
鴉
(
からす
)
の
灸
(
きう
)
といはれて
居
(
ゐ
)
る
瘡
(
かさ
)
が
出來
(
でき
)
て
泥
(
どろ
)
でもくつゝけたやうになつて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
そはとにかくに糞の歌も、厠の歌も、
犢鼻褌
(
ふんどし
)
の歌も、
腋毛
(
わきげ
)
の歌も、
瘡
(
かさ
)
の歌も歌として書に載せられをる事実は争ふべきにあらず。歌必ずしも
尽
(
ことごと
)
く上品ならんや。
人々に答ふ
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
やがては
瘡
(
かさ
)
を掻くだろう、鼻が落ちたり眼がつぶれたり、
膿
(
うみ
)
がジクジク流れ出したり……といってそいつを止めさせるような、好い運、俺にゃア巡って来ねえ。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「ふん、本当の医者を捜すなんざあ、野原で風を追っかけるも同じさ。悪魔の尻尾をつかまえるも同じさ。
瘡
(
かさ
)
っかきめが。何て可笑しな奴だ。ああ、やれやれ。」
追放されて
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
その下は、ただ
鹹沢
(
しおざわ
)
の結晶が
瘡
(
かさ
)
のようにみえるだけで、
旧根樹
(
ニティルダ・アンティクス
)
の枯根がぼうぼうと覆うている。
人外魔境:01 有尾人
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
これは
甥
(
おい
)
を遠矢にかけて、その女房を奪ったとやら申す
報
(
むくい
)
から、左の膝頭にその甥の顔をした、不思議な
瘡
(
かさ
)
が現われて、昼も夜も骨を
刻
(
けず
)
るような
業苦
(
ごうく
)
に悩んで居りましたが
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
己
(
おら
)
アもう腹一抔
借尽
(
かりつく
)
して、婆さんも
愛想
(
あいそ
)
が尽きて寄せ附けねえと云うので、
己
(
おれ
)
も行ける義理は
無
(
ね
)
えからなア、土浦へ行って
燻
(
くす
)
ぶって居たが、その
中
(
うち
)
に
瘡
(
かさ
)
は吹出す、
帰
(
けえ
)
る事も出来ず
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
信一が餅菓子を手当り次第に口へ
啣
(
ふく
)
んでは、ぺっ/\と光子の顔へ吐き散らすと、見る/\うちにさしも美しい雪姫の器量も癩病やみか
瘡
(
かさ
)
っかきのように、二た目と見られない姿になって行く面白さ。
少年
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
さすがの后も
躊躇
(
ちゅうちょ
)
せられたが、千人目ということにひかされてついに
辛抱
(
しんぼう
)
して
玉手
(
ぎょくしゅ
)
をのべて背をこすりにかかられた。すると病人が言うに、わたくしは悪病を
患
(
わずら
)
って永い間この
瘡
(
かさ
)
に苦しんでおります。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
人目を避けて、
蹲
(
うずくま
)
つて、
虱
(
しらみ
)
を
捻
(
ひね
)
るか、
瘡
(
かさ
)
を
掻
(
か
)
くか、弁当を使ふとも、
掃溜
(
はきだめ
)
を探した
干魚
(
ほしうお
)
の骨を
舐
(
しゃぶ
)
るに過ぎまい。
乞食
(
こじき
)
のやうに
薄汚
(
うすぎたな
)
い。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかはあれ、一切の
虚僞
(
いつはり
)
を棄てつゝ、汝の見し事をこと/″\くあらはし、
瘡
(
かさ
)
ある處は人のこれを掻くに
任
(
まか
)
せよ 一二七—一二九
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「
苧
(
を
)
と
橙
(
だい/\
)
と笠と柿を賣物にして、『親代々
瘡
(
かさ
)
つかき』と呼んだといふのは
小噺
(
こばなし
)
にあるが、それとは少し違ふやうだな、八」
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「何さ。為体の知れねえ
瘡
(
かさ
)
っかきだからのう、
容貌
(
そつぼう
)
見識
(
みし
)
っとく分にゃ怪我はあるめえってことよ。うん、それよりゃあ彦、手前の種ってえのを蒸返し承わろうじゃねえか。」
釘抜藤吉捕物覚書:02 梅雨に咲く花
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「やい、
瘡
(
かさ
)
ッかき。てめえは誰の悪口を言うのだ」王鬍は眼を挙げてさげすみながら言った。
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
大
(
たい
)
したものだ、いまだに
貴方
(
あなた
)
のお暮しの話をして居りますが、あの時
私
(
わっち
)
ア道楽の
罰
(
ばち
)
で
瘡
(
かさ
)
をかいて、医者も見放し、棟梁の処に雑用が
滞
(
たま
)
り、
薬代
(
やくだい
)
も払えず、何うしたらよかろうと思ってると
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其
(
そ
)
の
内
(
うち
)
に
彼
(
かれ
)
は
娶
(
よめ
)
をとつて
小
(
ちひ
)
さな
世帶
(
しよたい
)
を
持
(
も
)
つて
稼
(
かせ
)
ぐことになつた。
娶
(
よめ
)
は
間
(
ま
)
もなく
懷姙
(
くわいにん
)
したが
胎兒
(
たいじ
)
は
死
(
し
)
んでさうして
腐敗
(
ふはい
)
して
出
(
で
)
た。
自分
(
じぶん
)
も
他人
(
ひと
)
も
瘡
(
かさ
)
ツ
子
(
こ
)
だといつた。二三
人
(
にん
)
生
(
うま
)
れたがどれも
發育
(
はついく
)
しなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
が、
小鼻
(
こばな
)
の
両傍
(
りやうわき
)
から
頤
(
あご
)
へかけて、
口
(
くち
)
のまはりを、ぐしやりと
輪取
(
わど
)
つて、
瘡
(
かさ
)
だか、
火傷
(
やけど
)
だか、
赤爛
(
あかたゞ
)
れにべつたりと
爛
(
たゞ
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
苧
(
お
)
と
橙
(
だいだい
)
と笠と柿を売物にして、『親代々
瘡
(
かさ
)
っかき』と呼んだというのは
小噺
(
こばなし
)
にあるが、それとは少し違うようだな、八」
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
プリシアンかの幸なき群にまじりて歩めり、フランチェスコ・ダッコルソ亦然り、また汝深き願ひをかゝる
瘡
(
かさ
)
によせしならんには 一〇九—一一一
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
それでも
幼兒
(
えうじ
)
の
死
(
し
)
ぬのは
瘡
(
かさ
)
ツ
子
(
こ
)
だからといふのみで
病毒
(
びやうどく
)
の
慘害
(
さんがい
)
を
知
(
し
)
る
筈
(
はず
)
もなく
隨
(
したが
)
つて
怖
(
おそ
)
れる
筈
(
はず
)
もなかつた。お
品
(
しな
)
の
母
(
はゝ
)
は
非常
(
ひじやう
)
な
貧乏
(
びんばふ
)
な
寡婦
(
ごけ
)
で、
足
(
あし
)
が
立
(
た
)
つか
立
(
た
)
たぬのお
品
(
しな
)
を
懷
(
ふところ
)
にして
悲慘
(
みじめ
)
な
生活
(
せいくわつ
)
をして
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「話に聞いた
人面瘡
(
じんめんそう
)
——その
瘡
(
かさ
)
の顔が
窈窕
(
ようちょう
)
としているので、
接吻
(
キッス
)
を……何です、その花の唇を吸おうとした馬鹿ものがあったとお思いなさい。」
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あとでお
店
(
たな
)
へ行って尻をまくる奴があるかも知れないとか——嫌な千三つ屋じゃありませんか、あの野郎こそ、嘘つきで、
胡麻擂
(
ごます
)
りで、手癖が悪くて、
瘡
(
かさ
)
っかきで
銭形平次捕物控:097 許嫁の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
あとでお
店
(
たな
)
へ行つて尻をまくる奴があるかも知れないとか——嫌な千三つ屋ぢやありませんか、あの野郎こそ、嘘
吐
(
つ
)
きで、
胡麻摺
(
ごます
)
りで、手癖が惡くて、
瘡
(
かさ
)
つかきで
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
瘡
漢検1級
部首:⽧
15画
“瘡”を含む語句
疱瘡
痘瘡
瘡毒
松皮疱瘡
瘡蓋
瘡痍
金瘡
疱瘡神
瘡痕
人面瘡
小瘡
種疱瘡
植疱瘡
湿瘡
狼瘡
矢瘡
瘡口
鵞口瘡
悪瘡
瘡毒気
...