“漆瘡”の読み方と例文
読み方割合
しつさう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこへまた油薬のやうなものを塗つて呉れた。ひどく苦んだ漆瘡しつさうの男根図はかくのごとくにしてつひに直つた。かさは極く『平凡』にえた。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
そして僕の漆瘡しつさう物語の結末が消えるやうにして無くなつてしまつたときに、このことわざ、警句をおもひ起したのであつた。おもひ起して味つてみるとどうも言方に旨いところがあつた。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
然るに僕が漆瘡しつさうであれほど苦しんだ時に、父は極めて平凡にそれを直して呉れた。僕はその時、父には何か知らんやはり特殊の『能力』があるのではあるまいかと思つたのである。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)