“痘瘡”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とうそう40.0%
あばた20.0%
もがさ10.0%
はうさう5.0%
いも5.0%
とうさう5.0%
ほうそ5.0%
ほうそう5.0%
モガサ5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
秋成は、五歳の折、重い痘瘡とうそうをわずらって、その痘毒のために、右の中指と左の人さし指がひどく短くなり、用にたたなくなっていた。
雨月物語:04 解説 (新字新仮名) / 鵜月洋(著)
あの粗羅紗の外套と痘瘡あばただらけの顔を入口へにゆつと現はす前に昇降口でやる咳払ひ一つで、全教室を恐怖のどん底におとし入れる、拉典語の教師の注意をすら
七八年まえ痘瘡もがさが、おれには重く、弟には軽かったので、次郎は、生まれついた眉目みめをそのままに、うつくしい男になったが、おれはそのために片目つぶれた、生まれもつかない不具になった。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
正直に申しあげますると、殿様のお顔は痘瘡はうさうあとが見苦しく目立つていらつしやる上にお眼の内が鋭いので、御機嫌の悪い時は二目と拝まれないやうに存じまする。
なるほどその男も、うす痘瘡いもで、しかも片目つぶれていた。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
榛軒は痘瘡とうさうを以て先天の「胎毒」が天行の「時気」に感触して発するものとなした。胎毒とは性欲の結果である。胎毒は外発すべきものである。しかしその外発は時を得なくてはならない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
どちらかといえばかくあかがおのほうで、それに痘瘡ほうそうあとがいっぱいござりましてな、右の小鬢こびんに、少々ばかり薄禿うすはげが見えまするで
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
痘瘡モガサをわづらひて、いとあつしてなりもてゆき、二十一日の暁みまかりたりける 歎きにしづみて
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)