痘瘡あばた)” の例文
あの粗羅紗の外套と痘瘡あばただらけの顔を入口へにゆつと現はす前に昇降口でやる咳払ひ一つで、全教室を恐怖のどん底におとし入れる、拉典語の教師の注意をすら
一疋いっぴきの狗が中で吠えた。彼は急いで瓦のカケラを拾い上げ、もう一度前へ行って、今度は力任せにぶっ叩いて黒門の上に幾つも痘瘡あばたが出来た時、ようやく人の出て来る足音がした。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
痘瘡あばたの中に白眼しろまなこいて、よたよたと立上って、いきどおった声ながら
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
肉瘤こぶで黒くて痘瘡あばたあり、あをい指環を嵌めたよなそのまなこ