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量
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かさ
ふりがな文庫
“
量
(
かさ
)” の例文
それは遠方の大木と同様の大きさに見ゆれど、しかもその
量
(
かさ
)
においても、その局部においても、後者とはまったく一致せざるはずなり。
世界怪談名作集:04 妖物
(新字新仮名)
/
アンブローズ・ビアス
(著)
それはちょうど中に胴というもののない
雛
(
ひな
)
人形を寝かせたようなのである。髪は多すぎるとは思われぬほどの
量
(
かさ
)
で床の上にあった。
源氏物語:49 総角
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
その語は極めて解きやすし、もし人ありて慈悲心をもて
父母
(
ちちはは
)
乃至
(
ないし
)
世の病人なんどに水を施さば、
仮令
(
たとい
)
その
量
(
かさ
)
少くして
僅
(
わずか
)
に
掌
(
てのひら
)
に
掬
(
むす
)
びたるほどなりとも
印度の古話
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
第一、そんなことにしてからが味よりも
量
(
かさ
)
で、すぐ少ないの多いの唄にまで歌ってやがる
贅六
(
ぜいろく
)
根性がかたじけない。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
遊廓問題に行き悩んでゐる府知事の
智慧袋
(
ちゑぶくろ
)
のやうに、
量
(
かさ
)
の小さい鴉の
心
(
しん
)
の臓は、この怖ろしい出来事に出遭つて
何
(
ど
)
うにも
持堪
(
もちこら
)
へる事が出来なかつたのだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
広栄のいる
室
(
へや
)
の
背後
(
うしろ
)
の
襖
(
ふすま
)
が
啓
(
あ
)
いて、
円髷
(
まるまげ
)
の肉づきのいい背の高い女が出て来た。それがお高であった。お高は長方形の渋紙に包んだ
量
(
かさ
)
ばった物を抱いていた。
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
俗に「
耳白
(
みみしろ
)
」という文銭を
選
(
よ
)
り出しては箱に入れて集めておられ、それが
貯
(
たま
)
り貯りして大変な
量
(
かさ
)
になっていたのを、蔵の中にある穴蔵の中へ入れてありました。
幕末維新懐古談:30 身を引いた時のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
女は
荷物
(
パツケ
)
をおれに持たせて置いて二人の二等の往復切符を買つた。
荷物
(
パツケ
)
は
量
(
かさ
)
の割に軽いものである。おれは女がなぜこんな
荷物
(
パツケ
)
を持つて出掛けるのか解らなかつた。
素描
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
外
(
おもて
)
の窓の部屋に、
硝子
(
ガラス
)
戸の戸棚と小引出しがずっとならんでいたが、おしょさんの
連合
(
つれあい
)
の
商業
(
しょうばい
)
は眼鏡のわくとレンズを問屋へ入れるだけで、商品が
量
(
かさ
)
ばらない商業だった。
旧聞日本橋:18 神田附木店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
羽毛のような雪を浮かべて
量
(
かさ
)
を増した三
俣
(
また
)
の瀬へ、田安殿の邸の前からざんぶとばかり、水煙りも白く身を投げた荷方の仙太郎は、岸に立って喚いた彦兵衛の御用の声に
釘抜藤吉捕物覚書:10 宇治の茶箱
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
セエラはよくベッキイに与えるために、
量
(
かさ
)
のない何か変った食物を探し歩きました。初めて
肉饅頭
(
ミート・パイ
)
を買って帰った時には、セエラはいいものを見付けてきたと思いました。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
が、走り出す前に、彼は「23」のポケットへ何か
量
(
かさ
)
ばったものを押込んで行ったのです。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
それは分厚い一ト
束
(
たば
)
にもなる反古の
量
(
かさ
)
だったので、ふたりしてこれを整理
翻読
(
ほんどく
)
したすえ、帖に編集したものが、すなわち後世に長く読みつたえられてきた古典「
徒然草
(
つれづれぐさ
)
」になったのだった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼にとつてこの種の調度品は、
量
(
かさ
)
と重みがありすぎた。
小熊秀雄全集-15:小説
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
しかし何か
量
(
かさ
)
のある物かげであった。
三階の家
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
着物の裾の重なりばかりが
量
(
かさ
)
高くて、その人は小柄なほっそりとした人らしい。この姿も髪のかかった横顔も非常に上品な美人であった。
源氏物語:34 若菜(上)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
二人の旅人が
下手
(
しもて
)
から来て、涼亭の口で村の男と
擦
(
す
)
れ違って入って来る。その一人の甲は、
菰
(
こも
)
で包んだ
量
(
かさ
)
ばった四角な
包
(
つつみ
)
を肩に乗せ、乙は小さな
竹篭
(
たけかご
)
を右の手に持っている。
涼亭:――序に代へて――
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
刻々に
量
(
かさ
)
をまして、胸をひたし、首へせまり——ぬけ出るみちといっては、高い天井に、落ちてきたときの
堅坑
(
たてあな
)
が、細くななめに通じているだけ、この生きうめの穴蔵が水びたしになっては!
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ここでは丈の高い枯れた雑草の
蔭
(
かげ
)
などに深く積もったものは
量
(
かさ
)
が高くなるばかりで
越
(
こし
)
の
白山
(
はくさん
)
をそこに置いた気がする庭を、今はもうだれ一人出入りする下男もなかった。
源氏物語:15 蓬生
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
始終ながめていねばならぬ御殿の住人たちの恨みが
量
(
かさ
)
んでいくのも道理と言わねばならない。
源氏物語:01 桐壺
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
量
常用漢字
小4
部首:⾥
12画
“量”を含む語句
重量
器量
思量
推量
分量
商量
力量
多量
不器量
秤量
少量
容量
量見
水量
当推量
雅量
無量
御器量
計量器
量目
...