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層
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かさ
ふりがな文庫
“
層
(
かさ
)” の例文
積まれ積まれる白紙は、所定の、高さに
層
(
かさ
)
むと、目の廻る速度でまた除去して、
空
(
くう
)
にし、空へまた奔って来て乗る白紙へ備えねばならぬ。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
背後
(
うしろ
)
へ
畝
(
うね
)
つて
切出
(
きりだ
)
したやうな
大巌
(
おほいは
)
が二ツ三ツ四ツと
並
(
なら
)
んで、
上
(
うへ
)
の
方
(
はう
)
へ
層
(
かさ
)
なつて
其
(
そ
)
の
背後
(
うしろ
)
へ
通
(
つう
)
じて
居
(
ゐ
)
るが、
私
(
わし
)
が
見当
(
けんたう
)
をつけて、
心組
(
こゝろぐ
)
んだのは
此方
(
こツち
)
ではないので
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しかしこれを菫菫菜と菫の字を二つ
層
(
かさ
)
ねて用いた時にはここに始めてそれがスミレとなる。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
山の根に
拠
(
よ
)
って、広い
濠
(
ほり
)
をめぐらし、千松万柳、門への道は、
吊
(
つ
)
り橋だった。正門の次に内門をひかえ、白壁高く、楼に楼を
層
(
かさ
)
ね、武器庫、
厩長屋
(
うまやながや
)
、およそ
備
(
そな
)
わらざるはない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そはともあれわれ今日は大王の
御命
(
おおせ
)
を受け、和主を今宵招かんため、
今朝
(
けさ
)
より里へ
求食
(
あさ
)
り来つ、かくまで
下物
(
さかな
)
は獲たれども、余りに
層
(
かさ
)
多ければ、独りにては運び得ず、
思量
(
しあん
)
にくれし処なり。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
▼ もっと見る
一事件を
経
(
ふ
)
る度に二人が胸中に湧いた恋の卵は
層
(
かさ
)
を増してくる。機に触れて交換する双方の意志は、
直
(
ただち
)
に互いの胸中にある例の卵に至大な養分を給与する。今日の日暮はたしかにその機であった。
野菊の墓
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
ト
層
(
かさ
)
にかかッて
極付
(
きめつけ
)
れど、文三は差俯向いたままで返答をしない。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
日は
午
(
ひる
)
すこし過ぎ、空は高いが、
何処
(
どこ
)
からとなく、
薄
(
うつす
)
らした雲の
層
(
かさ
)
が、白くよどむで来ては掻き消えてゆく。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
背後
(
うしろ
)
へ
蜿
(
うね
)
って切出したような
大巌
(
おおいわ
)
が二ツ三ツ四ツと並んで、上の方へ
層
(
かさ
)
なってその背後へ通じているが、
私
(
わし
)
が見当をつけて、
心組
(
こころぐ
)
んだのはこっちではないので
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
またかく真直な上に多くの節が
層
(
かさ
)
なっていますのでこれを婦人の貴い貞節に喩られています。松は豪壮勇偉な
男子
(
おとこ
)
、竹は貞節ある淑徳な
女子
(
おなご
)
、これは誠に
相応
(
ふさわ
)
しい双璧ではありますまいか。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
とかくして一町ばかり来るほどに、肴大方取下してければ、はや用なしと車を飛び下り。投げたる肴を一ツに拾ひ集め、これを山へ運ばんとするに。
層
(
かさ
)
意外
(
おもいのほか
)
に高くなりて、一匹にては持ても往かれず。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
トお政が
層
(
かさ
)
に懸ッて
極付
(
きめつ
)
けかけたので、文三は
狼狽
(
あわ
)
てて
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
それを文庫へ
了
(
しま
)
って、さあ寝支度も出来た、
行燈
(
あんどう
)
の
灯
(
ひ
)
を
雪洞
(
ぼんぼり
)
に移して、こいつを持つとすッと立って、絹の鼻緒の
嵌
(
すが
)
った
層
(
かさ
)
ね草履をばたばた、引摺って、派手な女だから
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彈
(
はじ
)
き
葉
(
ば
)
のあさみどりなる、内
紅
(
あか
)
く紫くろき、
層
(
かさ
)
厚く七重八重なる、葉牡丹は大いにうれし。牡丹とも見ずや葉牡丹、
値
(
ね
)
は
廉
(
やす
)
きその株ながら、株立つとこの庭も
狹
(
せ
)
に、豐かなり乏しともなし。
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
と
層
(
かさ
)
に懸ッて
極付
(
きめつけ
)
る。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
弾
(
はじ
)
き
葉
(
ば
)
のあさみどりなる、内
紅
(
あか
)
く紫くろき、
層
(
かさ
)
厚く七重八重なる、葉牡丹は大いにうれし。牡丹とも見ずや葉牡丹、
値
(
ね
)
は
廉
(
やす
)
きその株ながら、株立つとこの庭も
狭
(
せ
)
に、豊かなり乏しともなし。
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
日本の国と人とに今はひたすら取り
縋
(
すが
)
ってはいるものの、由来
小悪
(
こわる
)
で狡くて、勝っては
傲
(
おご
)
り、弱みにつけこみやすいのが日本人のある階級の特性である。善良で無智と見ると何処までも
層
(
かさ
)
にかかる。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
土間の
栖
(
す
)
も夕寒むからしまだいねで
層
(
かさ
)
みおぼめくうつつ
家禽
(
いへとり
)
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
風速の御穂の御宮のきだはしは真砂吹きあげて松葉
層
(
かさ
)
めり
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
うち
層
(
かさ
)
む若葉くらきに子が遊ぶ鏡の反射そこらひらめく
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
岩清水
堰
(
せ
)
き
層
(
かさ
)
みたる杉の葉の下べ紅せり
水漬
(
みづ
)
かぬはまだ
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
寂ふかく雪に焼けつつ鉾杉の
叢葉
(
むらは
)
が
層
(
かさ
)
も春立たむとす
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
靄ごもり
層
(
かさ
)
む若葉の
緑金
(
りよくこん
)
はただ
一方
(
ひとかた
)
を陽の照らふらし
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
夏向ふ霞にあかる若葉木の
木群
(
こむら
)
のみどり盛り
層
(
かさ
)
むなり
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
夏向ふ霞にあかる若葉木の
木群
(
こむら
)
のみどり盛り
層
(
かさ
)
むなり
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
野茨
(
のいばら
)
はいとどしろきに
層
(
かさ
)
厚き
薔薇
(
さうび
)
は濡れて肉いろの花
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
野茨
(
のいばら
)
はいとどしろきに
層
(
かさ
)
厚き
薔薇
(
さうび
)
は濡れて肉いろの花
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
照り
層
(
かさ
)
む
内紫
(
うちむらさき
)
海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
層
常用漢字
小6
部首:⼫
14画
“層”を含む語句
一層
大層
上層
下層
貝層
層塔
層雲
五層
水層
沖積層
火山礫層
三層楼
三層
層楼
成層圏
地層
岩層
層々
御大層
幾層倍
...