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重
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かさ
ふりがな文庫
“
重
(
かさ
)” の例文
そうして、人馬の悲鳴が高く一声発せられると、河原の上では、
圧
(
お
)
し
重
(
かさ
)
なった人と馬と板片との
塊
(
かたま
)
りが、沈黙したまま動かなかった。
蠅
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
斯
(
こ
)
うした
時
(
とき
)
には
又
(
また
)
妙
(
みょう
)
に
不思議
(
ふしぎ
)
な
現象
(
こと
)
が
重
(
かさ
)
なるものと
見
(
み
)
えまして、
私
(
わたくし
)
の
姿
(
すがた
)
がその
夜
(
よ
)
右
(
みぎ
)
の
漁師
(
りょうし
)
の
妻
(
つま
)
の
夢枕
(
ゆめまくら
)
に
立
(
た
)
ったのだそうでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
茶色
(
ちゃいろ
)
の
表紙
(
ひょうし
)
に青いとじ糸を使い、中の
紙
(
かみ
)
も
日本紙
(
にほんし
)
で
片面
(
かためん
)
だけに
字
(
じ
)
をすったのを二つ
折
(
お
)
りにして
重
(
かさ
)
ねとじた、
純日本式
(
じゅんにほんしき
)
の
読本
(
とくほん
)
でした。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
お
杯
(
さかずき
)
の
数
(
かず
)
がだんだん
重
(
かさ
)
なるうちに、おかしららしい
鬼
(
おに
)
は、だれよりもよけいに
酔
(
よ
)
って、さもおもしろそうに
笑
(
わら
)
いくずれていました。
瘤とり
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
やがて、とことはの
闇
(
やみ
)
となり、
雲
(
くも
)
は
墨
(
すみ
)
の
上
(
うへ
)
に
漆
(
うるし
)
を
重
(
かさ
)
ね、
月
(
つき
)
も
星
(
ほし
)
も
包
(
つゝ
)
み
果
(
は
)
てて、
時々
(
とき/″\
)
風
(
かぜ
)
が
荒
(
あ
)
れ
立
(
た
)
つても、
其
(
そ
)
の
一片
(
いつぺん
)
の
動
(
うご
)
くとも
見
(
み
)
えず。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
すげの
畳
(
たたみ
)
を八
枚
(
まい
)
、
皮畳
(
かわだたみ
)
を六枚に、
絹畳
(
きぬだたみ
)
を八枚
重
(
かさ
)
ねて、波の上に投げおろさせるやいなや、身をひるがえして、その上へ飛びおりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
重
(
かさ
)
ね右の
趣
(
おもぶ
)
きまで願書に
認
(
したゝ
)
め居たるに加賀屋長兵衞入り來り我等
何分
(
なにぶん
)
にも取扱ひ候間
今
(
いま
)
少
(
すこ
)
し御待ち下さるべし白子屋方へ
能々
(
よく/\
)
異見
(
いけん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
更
(
さら
)
に
博物館
(
はくぶつかん
)
では
外
(
そと
)
より
來
(
き
)
た
見物人
(
けんぶつにん
)
や
學者達
(
がくしやたち
)
に
研究
(
けんきゆう
)
させるばかりでなく、
博物館
(
はくぶつかん
)
にゐる
人
(
ひと
)
自身
(
じしん
)
がその
陳列品
(
ちんれつひん
)
を
利用
(
りよう
)
して
研究
(
けんきゆう
)
を
重
(
かさ
)
ね
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
昨年
(
さくねん
)
、ご
当地
(
とうち
)
で、お
目
(
め
)
どおりいたしました
娘
(
むすめ
)
は、さる
地方
(
ちほう
)
において、
俵
(
たわら
)
を
積
(
つ
)
み
重
(
かさ
)
ねまする
際
(
さい
)
に、
腹帯
(
はらおび
)
が
切
(
き
)
れて、
非業
(
ひごう
)
の
最期
(
さいご
)
を
遂
(
と
)
げました。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
斯様
(
かう
)
なれば
互
(
たがひ
)
に
怨恨
(
ゑんこん
)
は
重
(
かさ
)
なるのみであるが、良兼の方は
何様
(
どう
)
しても官職を帯びて居るので、官符は
下
(
くだ
)
つて、将門を追捕すべき事になつた。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
何
(
ど
)
うして、
其樣
(
そん
)
な
所
(
ところ
)
へ
這入
(
はい
)
つたのだ。
當分
(
たうぶん
)
其所
(
そこ
)
にゐる
積
(
つもり
)
なのかい」と
宗助
(
そうすけ
)
は
重
(
かさ
)
ねて
聞
(
き
)
いた。
安井
(
やすゐ
)
はたゞ
少
(
すこ
)
し
都合
(
つがふ
)
があつてと
許
(
ばかり
)
答
(
こた
)
へたが
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
八百膳
(
やおぜん
)
」の料理を
奢
(
おご
)
られても、三日続けて食わさるれば、不足を訴える。帝国ホテルの
御馳走
(
ごちそう
)
でも、たび
重
(
かさ
)
なればいやになる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
四
月
(
つき
)
すると、
木々
(
きぎ
)
の
梢
(
こずえ
)
が
青葉
(
あおば
)
に
包
(
つつ
)
まれ、
枝
(
えだ
)
と
枝
(
えだ
)
が
重
(
かさ
)
なり
合
(
あ
)
って、
小鳥
(
ことり
)
は
森
(
もり
)
に
谺
(
こだま
)
を
起
(
お
)
こして、
木
(
き
)
の
上
(
うえ
)
の
花
(
はな
)
を
散
(
ち
)
らすくらいに、
歌
(
うた
)
い
出
(
だ
)
しました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
下部
(
かぶ
)
の
貝塚
(
かひづか
)
が、
普通
(
ふつう
)
ので、
其上
(
そのうへ
)
に
彌生式
(
やよひしき
)
の
貝塚
(
かひづか
)
が
重
(
かさ
)
なつて
居
(
ゐ
)
るとか、たしかそんな
事
(
こと
)
であつた。
今
(
いま
)
雜誌
(
ざつし
)
が
手元
(
てもと
)
に
無
(
な
)
いので
委
(
くは
)
しくは
記
(
しる
)
されぬ。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
隔
(
へだ
)
ては
次第
(
しだい
)
に
重
(
かさ
)
なるばかり、
雲霧
(
くもきり
)
がだんだんと
深
(
ふか
)
くなつて、お
互
(
たが
)
ひの
心
(
こゝろ
)
の
分
(
わか
)
らないものに
成
(
な
)
りました、
今
(
いま
)
思
(
おも
)
へばそれは
私
(
わたし
)
から
仕向
(
しむ
)
けたので
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そのうえに袷の
重
(
かさ
)
ね
着
(
ぎ
)
が追々と無くなって、中綿がたっぷりと入れられるようになれば、また
別様
(
べつよう
)
の肩腰の丸味ができてくる。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
爾来
(
じらい
)
東京に大阪に
将
(
は
)
た神戸に、妾は表面同志として重井と相伴い、演説会に懇親会に姿を並べつ、その交情日と共にいよいよ
重
(
かさ
)
なり行きぬ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
煮たのも来る。
舞茸
(
まいたけ
)
の
味噌汁
(
みそしる
)
が来る。焚き立ての
熱飯
(
あつめし
)
に、此山水の
珍味
(
ちんみ
)
を
添
(
そ
)
えて、関翁以下当年五歳の鶴子まで、
健啖
(
けんたん
)
思わず
数碗
(
すうわん
)
を
重
(
かさ
)
ねる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
かぼちゃも、きゅうりも、いねも昔の三等
寝台
(
しんだい
)
のように、何段も
重
(
かさ
)
なった
棚
(
たな
)
の上にうえられていた。みんなよく育っていた。
三十年後の東京
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ちょっと
見
(
み
)
たゞけでは、わかつたようでわからぬ
歌
(
うた
)
です。
同
(
おな
)
じような
句
(
く
)
が
重
(
かさ
)
なつてゐると、
自然
(
しぜん
)
片一方
(
かたいつぽう
)
の
方
(
ほう
)
は、
一部分
(
いちぶぶん
)
略
(
りやく
)
する
習慣
(
しゆうかん
)
があります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
互に
楯
(
たて
)
を突き合ふやうな不愉快な時間が幾度か
重
(
かさ
)
なつた。或る時は首藤に質問された「
可
(
べ
)
かり
可
(
べ
)
かる」の用法で、先生は一時間を苦しめられた。
猫又先生
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
また、向こうの
柵
(
さく
)
のそばには、見まわりの三人組が三人とも、
胸
(
むね
)
に一本ずつの
短刀
(
たんとう
)
をうけて、
重
(
かさ
)
なり合ってころげている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
身にあまる大難問が三つも四つも
重
(
かさ
)
なり合つて、女の思考情願、判断を混乱させてしまつたので、たどるべき径路の系統の発見に長い間苦しんだ。
計画
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
天草
(
あまくさ
)
の
原
(
はら
)
の城の
内曲輪
(
うちくるわ
)
。立ち昇る火焔。飛びちがふ矢玉。伏し
重
(
かさ
)
なつた男女の
死骸
(
しがい
)
。その中に手を負つた一人の老人。
商賈聖母
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「それは
漢字
(
かんじ
)
ばかりで
書
(
か
)
いた
本
(
ほん
)
で、お
前
(
まへ
)
にはまだ
讀
(
よ
)
めない」と
云
(
い
)
ふと、
重
(
かさ
)
ねて「どんな
事
(
こと
)
が
書
(
か
)
いてあります」と
問
(
と
)
ふ。
寒山拾得縁起
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
私達は
重
(
かさ
)
なり
畳
(
かさ
)
なった山々を眼の下に望むような場処へ来ていた。谷底はまだ明けきらない。遠い八ヶ岳は灰色に包まれ、その上に紅い雲が
棚引
(
たなび
)
いた。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
前夜
(
ぜんや
)
の
雨
(
あめ
)
が
晴
(
はれ
)
て
空
(
そら
)
は
薄雲
(
うすぐも
)
の
隙間
(
あひま
)
から
日影
(
ひかげ
)
が
洩
(
もれ
)
ては
居
(
ゐ
)
るものゝ
梅雨
(
つゆ
)
季
(
どき
)
は
爭
(
あらそ
)
はれず、
天際
(
てんさい
)
は
重
(
おも
)
い
雨雲
(
あまぐも
)
が
被
(
おほ
)
り
(
ママ
)
重
(
かさ
)
なつて
居
(
ゐ
)
た。
汽車
(
きしや
)
は
御丁寧
(
ごていねい
)
に
各驛
(
かくえき
)
を
拾
(
ひろ
)
つてゆく。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
冬がれの木や、つみ
重
(
かさ
)
ねられた黒い
枕木
(
まくらぎ
)
はもちろんのこと、
電信柱
(
でんしんばしら
)
までみんな
眠
(
ねむ
)
ってしまいました。遠くの遠くの風の音か水の音がごうと鳴るだけです。
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
かういふ
關係
(
かんけい
)
が
重
(
かさ
)
なるような
場所
(
ばしよ
)
に
於
(
おい
)
ては、
津浪
(
つなみ
)
の
高
(
たか
)
さが
著
(
いちじる
)
しく
増大
(
ぞうだい
)
するわけであるが、それのみならず、
浪
(
なみ
)
が
淺
(
あさ
)
い
所
(
ところ
)
に
來
(
く
)
れば
遂
(
つひ
)
に
破浪
(
はろう
)
するに
至
(
いた
)
ること
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
我
重
(
かさ
)
ねてこれを
異
(
あや
)
しとすることあらじ、そは愛欲の
逸
(
そ
)
れざるところ即ち天にて我自ら汝に誇りたればなり 四—六
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
天
(
てん
)
の
恩惠
(
めぐみ
)
は
重
(
かさ
)
ね/″\
脊
(
せ
)
に
下
(
くだ
)
り、
幸福
(
かうふく
)
が
餘所行姿
(
よそゆきすがた
)
で
言寄
(
いひよ
)
りをる。それに
何
(
なん
)
ぢゃ、
意地
(
いぢ
)
くねの
曲
(
まが
)
った
少女
(
こめらう
)
のやうに、
口先
(
くちさき
)
を
尖
(
とが
)
らせて
運命
(
うんめい
)
を
呪
(
のろ
)
ひ、
戀
(
こひ
)
を
呪
(
のろ
)
ふ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
何かの切っかけで、地道よりも
邪
(
よこし
)
まの方を手っ取り早いように思い込む。それが
数
(
かず
)
重
(
かさ
)
なると、世の中を太く短くという暗示になって、悪い方へ転向してしまう。
善根鈍根
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
われ、世に在りて何か
爲
(
な
)
さむ、一帶の砂上に立ちて、
眼
(
まなこ
)
常に、あのうち
重
(
かさ
)
なれる
晶光七天
(
しやうくわうしちてん
)
を眺むるのみ。
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
緑陰
(
りょくいん
)
の
重
(
かさ
)
なった夕闇に
螢
(
ほたる
)
の飛ぶのを、雪子やしげ子と追い回したこともあれば、寒い冬の月夜を
歌留多
(
かるた
)
にふかして、からころと
跫音
(
あしおと
)
高く帰って来たこともあった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
僕は
外套
(
がいとう
)
の上にまた大外套を
重
(
かさ
)
ね
着
(
ぎ
)
していながら、風に向いた皮膚にしみとおる風の寒さを感じました。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
辛抱
(
しんぼう
)
に
辛抱
(
しんぼう
)
を
重
(
かさ
)
ねて
来
(
き
)
たとどのつまりが、そこは
女
(
おんな
)
の
乱
(
みだ
)
れる
思
(
おも
)
いの
堪
(
た
)
え
難
(
がた
)
く、きのうときょうの二
度
(
ど
)
も
続
(
つづ
)
けて、この
仕事場
(
しごとば
)
を、ひそかに
訪
(
おとず
)
れる
気
(
き
)
になったのであろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
其後
(
そのご
)
幾年月
(
いくねんげつ
)
の
間
(
あひだ
)
、
苦心
(
くしん
)
に
苦心
(
くしん
)
を
重
(
かさ
)
ねた
結果
(
けつくわ
)
、
一昨年
(
いつさくねん
)
の十一
月
(
ぐわつ
)
三十
日
(
にち
)
、
私
(
わたくし
)
が
一艘
(
いつそう
)
の
大帆走船
(
だいほまへせん
)
に、
夥
(
おびたゞ
)
しき
材料
(
ざいれう
)
と、卅七
名
(
めい
)
の
腹心
(
ふくしん
)
の
部下
(
ぶか
)
とを
搭載
(
のせ
)
て、はる/″\
日本
(
につぽん
)
を
去
(
さ
)
り
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
きょうも昼間から場がひらけたところ、見たことのねえ風来坊がきて、初めは何の不思議もなかったが、だんだんやりとりが
重
(
かさ
)
なると、そ奴の素振りが怪しくなった、で。
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
正面
(
しやうめん
)
にはもう
多田院
(
ただのゐん
)
の
馬場先
(
ばばさ
)
きの
松並木
(
まつなみき
)
が
枝
(
えだ
)
を
重
(
かさ
)
ねて、ずうつと
奧
(
おく
)
へ
深
(
ふか
)
くつゞいてゐるのが
見
(
み
)
えた。
松並木
(
まつなみき
)
の
入口
(
いりくち
)
のところに、
川
(
かは
)
を
背
(
せ
)
にして、
殺生
(
せつしやう
)
禁斷
(
きんだん
)
の
碑
(
ひ
)
が
立
(
た
)
つてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
アねへ
態々
(
わざ/\
)
心配
(
しんぱい
)
して
見
(
み
)
たさに
飮
(
の
)
む
樣
(
よう
)
なもんで
一盃
(
いつぱい
)
が
一盃
(
いつぱい
)
と
重
(
かさ
)
なれば
心配
(
しんぱい
)
も
重
(
かさ
)
なつて
來
(
く
)
る
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
かれはそれをみんなすみっこに
積
(
つ
)
み
重
(
かさ
)
ねた。わたしたちはからだじゅう
捜索
(
そうさく
)
されて、金もマッチもナイフも取り上げられた。それからその
晩
(
ばん
)
は
閉
(
と
)
じこめられることになった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
晏平仲嬰
(
あんぺいちうえい
)
は、
(三六)
莱
(
らい
)
の
夷維
(
いゐ
)
の
人
(
ひと
)
也
(
なり
)
。
齊
(
せい
)
の
靈公
(
れいこう
)
・
莊公
(
さうこう
)
・
景公
(
けいこう
)
に
事
(
つか
)
へ、
節儉力行
(
せつけんりよくかう
)
を
以
(
もつ
)
て
齊
(
せい
)
に
重
(
おも
)
んぜらる。
既
(
すで
)
に
齊
(
せい
)
に
相
(
しやう
)
として、
(三七)
食
(
しよく
)
は
肉
(
にく
)
を
重
(
かさ
)
ねず、
妾
(
せふ
)
は
(三八)
帛
(
きぬ
)
を
衣
(
き
)
ず。
国訳史記列伝:02 管晏列伝第二
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
瘠我慢
(
やせがまん
)
一篇の
精神
(
せいしん
)
も
専
(
もっぱ
)
らここに
疑
(
うたがい
)
を存しあえてこれを後世の
輿論
(
よろん
)
に
質
(
ただ
)
さんとしたるものにして、この一点については
論者輩
(
ろんしゃはい
)
がいかに
千言万語
(
せんげんばんご
)
を
重
(
かさ
)
ぬるも
到底
(
とうてい
)
弁護
(
べんご
)
の
効
(
こう
)
はなかるべし。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
此
(
この
)
哀
(
あは
)
れな
小
(
ちひ
)
さな
物
(
もの
)
は、
愛
(
あい
)
ちやんが
捕
(
つかま
)
へた
時
(
とき
)
に
蒸氣
(
じやうき
)
機關
(
きくわん
)
のやうな
恐
(
おそ
)
ろしい
鼻息
(
はないき
)
をしました、それからわれと
我
(
わ
)
が
體
(
からだ
)
を二つに
折
(
を
)
り
重
(
かさ
)
ねたり、
又
(
また
)
眞直
(
まつすぐ
)
に
伸
(
の
)
ばしたりなどしたものですから
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
けれども、ネズミたちは一ぴきずつ上へ上へと
重
(
かさ
)
なって、そこまでよじのぼりました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
米の飯を食わせずに
済
(
す
)
まそうとする、二度三度
重
(
かさ
)
なると与八は怒って、もう頼みに行っても出て来ない、その時は前祝いに米の飯を食わせると、前のことは忘れてよく力を貸します。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
孟宗の重きしだれの
重
(
かさ
)
なりのその
上
(
へ
)
に抜けて、ただひとり揺るる
秀
(
ほ
)
のあり。目か醒めし、夜風か出でし、さわさわと揺れて遊べり。しだれつつ前にうしろに、照りかげり揺れて遊べり。
観想の時:――長歌体詩篇二十一――
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
私は憂鬱になつてしまつて、自分が拔いたまま
積
(
つ
)
み
重
(
かさ
)
ねた本の
群
(
ぐん
)
を
眺
(
なが
)
めてゐた。
檸檬
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
ハムーチャはまっ裸となって、立派な衣装の
重
(
かさ
)
ねてある側に立っていました。
手品師
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
しろがねの
髭
(
ひげ
)
さへひかり
新幸
(
にひさち
)
もいよよ
重
(
かさ
)
ねむ君がいのちやおのづからなる
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
重
常用漢字
小3
部首:⾥
9画
“重”を含む語句
重々
二重
重量
三重
重宝
重大
一重
九重
起重機
二重瞼
貴重
重箱
重傷
尊重
重代
推重
鄭重
幾重
羽二重
厳重
...